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政治の世界の長い時間

「政治の世界では一週間は長い」とよく言われます。英国とフランスでこのたび選挙が行われましたが、この表現がこれほど真実だったことはまれです。英国の選挙結果が明らかになったいま、投資家はどのような結論を得ることができるのでしょうか。

リシ・スナク 首相は選挙を前倒しする賭けに出たものの、成功を収めることはできませんでした。7月4日の選挙では大方の予想どおり野党の労働党が圧倒的多数で大勝し、サー・キア・スターマー 党首が首相に就任することになりました。同氏は今後、議会を通じて必要な法を成立させることができるでしょう。

株式市場が労働党政権を恐れたことは、過去にもあったかもしれません。しかし、今回は2つの理由から状況が異なります。第一に、党の政策声明や選挙公約にも表れているように、労働党自体が政治的スタンスを大きく中道寄りに変更しています。

第二に、短命に終わったリズ・トラス 政権で示されたとおり、政府が財源調達を国債発行に依存すると、投資市場が政府を支配する力を持ちます。労働党政権が英国の財政赤字を拡大させる政策をとれば、同様の反応が債券市場で起こる可能性があります。

スターマー党首、および「陰の内閣」のレイチェル・リーブス財務相 が選挙運動の間に一貫して財政規律を説いたのも、このためです。両氏は、労働党が1997年に勝利した際と同じ戦略をとるものと思われます。この労働党の勝利は13年にわたる同党の政権支配の到来を告げるものでしたが、スターマー、リーブス両氏も同様の長期政権を狙っていると思われます。当時のゴードン・ブラウン財務相は、労働党の勝利から数週間以内に英国初となる公式の金融規制を導入しました。

英国の現在の安定ぶりは、他国や他地域の政治的な不安定さとは対照的です。欧州連合、米国ではともに、さまざまな出来事が相まって地政学的、経済的な先行きに不確実性をもたらしています。

  • フランスでは7月7日に決選投票が行われ、マクロン大統領の所属党と与党政権が異なるねじれ現象が起こる 公算が大きいとみられます。こうした事態の進行を株式市場と債券市場は嫌気しています
  • 米国で11月に実施される大統領選の結果は世界経済に重要な影響をもたらします。主要候補者の政策、特に貿易および地政学面の政策が大きく異なる可能性があるからです。

投資家が不確実性を嫌うことには十分な裏づけがあります。このため、英国が他市場と比較して政治的静寂のオアシスであるという事実は、大きなプラス要因です。加えて、株式市場の株価評価は歴史的に見ても、他市場と比較しても低水準にあると弊社は考えています。しかもインフレは一段と正常な水準に回帰しており、金利も正常化が見込まれています。

どこに注目するべきか

英国の政権交代に起因する具体的な投資機会が幾つかあると弊社はみています。

  • 次期政権下では開発の計画許可 に関わる法令が早急に緩和されると予想しています。今後数カ月内に利下げが行われる可能性も重なり、このところ投資家が投資を控えていた英国の住宅建設業者に好機が生まれるかもしれません。
  • 世界のその他のトレンドは進展し続けています。エネルギー供給の電化は今後も進み、これが銅の供給増を招くことは必然でしょう。金属鉱石で優位に立ちながら、なお魅力的なバリュエーションで取引されている英国鉱業部門の一部の上場企業に投資機会があると弊社はみています。

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英国の選挙結果が明らかになったいま、投資家はどのような結論を得ることができるのでしょうか。

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11月の米選挙に注目が集まりますが、勝者が誰かによって市場への影響が大きく異なる可能性があります。党指名獲得を確実にした2候補の政策を分析した結果では、分割政府(ねじれ議会のこと)を前提にした場合、トランプ氏が勝利したケースの方が短期的に市場の反応は大きくなると思われます。

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