Sustainability | ~ 4 min read
サステナブル投資の未来—ネットフリックスから学べること
サステナビリティは近年、投資家の大きな関心を集め、資金の流入をもたらしていますが、これには十分な理由があります。急速に変化する世界で投資収益を得ようとするならば、サステナブルな成長機会をさらに詳しく理解することがますます必要になっています。
投資家の投資目的が多岐にわたることは言うまでもなく、それぞれの投資家にとってサステナビリティが持つ意味もさまざまです。このためアリアンツGIでは、サステナビリティに関心を持つ投資家をサポートする幅広い戦略を提供しています。弊社のチームが重視しているあるアプローチは、クラス最高水準として知られています。弊社は基本的に現時点から約10年、またはそれ以上の期間にわたって存続する企業、セクターであると確信できることを基準としています。
成功する企業がある一方、今後数十年で衰退する企業もあることは、周知のとおりです。過去には、次のようなよく知られた事例があります。ブロックバスター はビデオのレンタルチェーンを運営していましたが、映画やテレビの視聴方法の変化に対応することができず、事業の廃止に至りました。対照的に、郵送を利用したDVDレンタル事業会社として出発したネットフリックスは、消費者とテクノロジーの変化を把握することで世界最大のストリーミングサービス提供企業に成長しました。
弊社の役割は、企業とセクターについて詳しく掘り下げ、この先サステナブルな成長を遂げるのに最も有利な立場にあるのはどの企業かを判断し、その機会を適切なタイミングでつかむことです。その基盤にあるのが、今世紀は企業が環境を汚染して成長する世紀ではない、という確信です。経済成長は今後、地球市民である私たちが期待する範囲内で、期待する基準に沿ったものになると考えます。これがアリアンツの考えるサステナビリティの未来のあり方です。
さらに深く掘り下げる
プレゼンの際に筆者が使用するスライドのなかで、下図は最も好評なものの1つです。左側はリスクを伴うセクターです。理由は、そのサステナブルな成長の範囲が限定的であったり、ビジネスモデルが今後に適合しなかったりするためです。燃焼機関や燃料炭など、容易に予測できる部門も幾つか取り上げられています。ただ弊社では、サステナビリティをより広範に考えています。例えば、旅行予約をオンラインで済ませる時代に、旅行代理店は長期投資に適した選択肢となり得るのかどうか、といった点です。図の右側は、エネルギー転換を具体化する企業や、革新的技術の最前線にある企業など、潜在的可能性がより大きいと弊社が考えるセクターです。
サステナブルな成長機会を利用する
出所:Allianz Global Investors, 2024年。EMは新興国市場。単に例示を目的として図式化したものです(実際の戦略、ポートフォリオ、商品データは一切考慮していません)。特定の有価証券または戦略の購入または売却を推奨、勧誘するものではありません。ガイダンスのみを目的としており、将来のアロケーションを示唆するものではありません。この戦略のパフォーマンスは保証されておらず、損失を被る可能性が常にあります。
クラス最高水準にある弊社のアプローチの狙いは、環境、社会、ガバナンス(ESG)の課題を優先させ、社会と環境にプラスの結果を与えるべく自社ビジネスモデルを調整している企業を探し出すことにあります。このアプローチを支えているのが、弊社内の調査能力と、独自開発のサステナビリティ・インサイト・エンジン、「スージー(SusIE)」 です。弊社はまた、ESGに関わるパフォーマンスの最適化を促すため、企業へのエンゲージメントを行っています。
弊社のアプローチが目指すのは、将来のトレンドを把握し、長い未来のためにいますぐ行動することです。世界が直面する課題は一夜にして解決できるものではありません。ESGの課題に取り組むためには新しいソリューションが必要です。さらに、一部のセクターでは、気候関連目標や生物多様性上の目標達成に向けた転換の時間と投資が必要であり、規制の変化に合わせるための時間と投資も必要です。
これこそが、サステナブル投資家にとって詳しい情報が何よりも重要である理由です。