Global Multi Asset team

緊迫する中東情勢を乗り切る

2月もグローバル株式は大きく変動しました。国際緊急経済権限法を根拠とするトランプ政権の関税に米最高裁が無効判決を下したのを受け、当初は株価が上昇したものの、月末には中東情勢が緊迫化しました。米国・イスラエルのイラン攻撃と最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ師の殺害がリスクオフの流れに火をつけ、周辺諸国に対するイランの報復攻撃により地政学的不確実性が高まりました。この影響で米ドルは急騰、原油価格の上昇とインフレへの懸念が主要なデュレーションの重しとなり、金の上昇も抑制されました。中東情勢の緊迫化はローテーションダイナミクスがみられる中でもセンチメントを悪化させ、株式市場はボラティリティの上昇に見舞われました。

弊社は引き続きグローバル株式を強気にみていますが、イラン軍事衝突に起因したリスクプレミアム上昇から従来に比べて強気度を引き下げています。米国株については、超大型株のモメンタム低下や、バリュー株および小型株へのローテーションの継続を受け、強気姿勢を緩めています。欧州の株式は、堅調な経済成長、財政刺激策や、近年のエネルギー供給の多様化といった追い風を受けています。日本株は引き続き改革のモメンタムと好調な企業業績に下支えされており、新興国市場株は引き続き全般的な見通しが最も良好です。ただし短期的には、日本市場と新興国市場は天然ガス価格上昇の影響を最も受けやすくなっています。債券においては、エネルギー以外のインフレ低下傾向がグローバルソブリン債を下支えしており、このところの調整の後にデュレーションではやや長期のスタンスをとっています。弊社は米国債、英国債、および欧州ソブリン債を楽観的にみていますが、地政学およびインフレ面でのリスクを踏まえ機敏に対処する方針を維持しています。ハイイールド債については、スプレッドのタイト化を受け控えめにみています。また、ハードカレンシー建て新興国債券はキャリーに下支えされています。弊社は米ドル安を予想していましたが、イラン軍事衝突後のドル上昇によりこのスタンスを後退させ、戦術的に柔軟な姿勢を維持しています。コモディティは全般に強気にみています。原油は構造的に供給過剰状態にありながらも、ホルムズ海峡をめぐる供給リスクから価格が上昇しています。金は急騰したものの、ドル高が足かせとなり反落しています。ただし、中銀からの需要や財政懸念、脱ドル化などの中期的ドライバーに変化はありません。

戦術的な資産配分見解の要約

これらの戦術的見通しは、短期的な状況、ならびにチームの分析の方向性および確信をファンダメンタルおよびシステマティックな指標に基づき反映しています。見解は、ポートフォリオ構築の検討からは独立したものです。

出典:Bloomberg Finance LP、データは2026年2月28日時点。過去の実績は将来のリターンを保証するものではありません。

グローバル株式:MSCI World Net Total Return Local Index (USD), グローバル国債:FTSE World Government Bond Index - Developed Markets in USD terms (USD), コモディティ:Bloomberg ex-Agriculture & Livestock Capped 6 Month Forward Index (USD), 為替(米ドル):Bloomberg Dollar Spot, 米国株式:S&P 500 Net Total Return Index, ユーロ圏株式:EURO STOXX 50 Net Return Index (EUR), 日本株式:TOPIX Net Total Return Index (JPY), 新興国株式:MSCI Emerging Net Total Return USD Index (USD), 米国国債:Bloomberg US Govt Total Return Value Unhedged USD Index (USD), 英国債:J.P. Morgan GBI UK Unhedged LOC Index (GBP), ユーロ圏国債:J.P. Morgan EMU Investment Grade - Unhedged EURO Index (EUR), 米国ハイ・イールド債:Bloomberg US Corporate High Yield Total Return Index (USD), 新興国債券:J.P. Morgan EMBI Global Diversified Composite Index (USD), 原油:Bloomberg WTI Crude Oil Subindex Total Return (USD), 銅:Bloomberg Copper Subindex Total Return (USD), 金:Bloomberg Gold Subindex Total Return (USD), 米ドル(USD)と英ポンド(GBP)は、それぞれの通貨対ユーロ(EUR)、米ドル対日本円(JPY)で表示されています。

Top Insights

市場関連インサイト

2026年の米国投資適格社債市場では、スプレッドはタイトで発行も増える見通しですが、依然として高水準の総利回りがリターンの主な押し上げ要因になると見ています。

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市場関連インサイト

金と銀の価格は、過去最高値を更新した後に大きく調整しました。これは、市場の流動性低下、ボラティリティ上昇、証拠金要件の引き上げが主な要因です。しかし、中央銀行による需要の増加、財政面での懸念、産業用途、分散投資効果といった中期的なファンダメンタルズの要因は依然として健在だと考えています。

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市場展望インサイト

日本銀行(日銀)は、1月の会合で金融政策を据え置く見通しです。高市政権による財政支出の増加を背景に成長見通しの小幅な上方修正が見込まれる状況下、経済成長とインフレの組み合わせの変化に投資家の注目が集まると見られます。

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