Biodiversity | ~ 4 min read
自然を大切にする—弊社の取り組み
世界経済フォーラムによると、世界のGDPの半分以上が自然とその生態系サービスに依存しています。つまり、GDPの半分以上が自然損失のリスクにさらされていることになります。投資家は、投資を通じてネイチャーポジティブなシステムへの転換をリードし、生物多様性の損失を阻止するとともに、生態系サービスを保全する機会を有しています。では、弊社は どのような役割を果たしているのでしょうか。
アリアンツ・グローバル・インベスターズは今年、生物多様性を保護する弊社の取り組みを強化するための重要な措置を幾つかとりました。自然関連財務情報開示タスクフォース (TNFD)のメンバーに加わったほか、ネイチャーアクション100 イニシアチブに参画し、生物多様性に対する弊社のアプローチを新たにポリシー・ステートメントとして文書化しました。
TNFDが設立されたことは、国際的な報告体系を整備する上で重要な節目となりました。というのも、気候関連財務情報開示タスクフォース (TCFD) が気候変動に関わるリスクの全容を明らかにするのと同様に、TNFDは企業の自然関連リスクに対する全体像を示してくれるからです。弊社は、TNFDが生物多様性に欠くことのできない枠組みになること、より広くいえば、弊社の「プラネタリー・バウンダリー」のテーマに不可欠な枠組みになることを確信しています。プラネタリー・バウンダリーとは、温暖化が進む今後の世界におけるサステナブルで平等な暮らし全般に及ぶ概念です。
弊社はTNFDのメンバーと協力し、プラネタリー・バウンダリーおよび生物多様性上の懸念についてシステミックな進展を促しています。例えば、自然関連財務情報の開示やインパクト測定の新たな展開を具体的な形にすることです。
ステートメントの作成
アリアンツGIが新たにまとめた生物多様性に関するポリシー・ステートメント では、アクティブ運用会社 としての生物多様性に対する弊社の見解と、投資およびポートフォリオへの生物多様性問題の組み込みを拡大する弊社のアプローチについて、概要を示しています。ステートメントでは、下記領域に対する弊社の取り組みを取り上げています。
- 積極的なリサーチ:弊社がテーマとしてプラネタリー・バウンダリーを重視していることを踏まえ、生物多様性への依存度が高く、生物多様性へのインパクトが大きい最重要産業セクターを特定して、モニタリングと分析を行います。
- 強力なスチュワードシップアプローチ:森林破壊、水、プラスチック、化学汚染、再生農業などの問題に取り組むために積極的なエンゲージメントを行います。
- 産業界との連携:TNFDのメンバーとして、自然関連の報告に関する情報を集約します。
- イクスクルージョン・ポリシー(exclusion policies):弊社が特定したサステナブル戦略にイクスクルージョン・ポリシーを適用し、生物多様性リスクが最も高いセクターに対処します。
- データの統合:弊社では生物多様性に関わるデータを投資プロセスに取り込み、投資判断に生物多様性の重要な側面を反映させています。このほか、弊社ESGデータプラットフォームの生物多様性関連データポイントを活用し、企業経営が生物多様性の重要指標に与えるインパクトについて分析しています。
次の段階では、ESGデータプラットフォームに新たなKPIを加える予定です。これには、平均生物種豊富度(Mean Species Abundance) 1などの指標が含まれます。弊社投資チームにデータと専用ツールへのアクセスを与えることで、一段とサステナビリティ関連情報に基づいた投資判断が可能になり、投資収益とともに財務面以外の成果も上げられる可能性があります。
投資家に生物多様性が重要な理由について、詳細は弊社の最新ガイドをご覧ください。
1 Intergovernmental Science-Policy Platform on Biodiversity and Ecosystem Services – definition of Mean species abundance