Biodiversity | ~ 4 min read

深海底採掘で新たな深みにはまるのか?

深海底採掘は、深海底から鉱物の堆積物を採取し、重要な原材料としてグリーンソリューションに利用する手法です。しかし、コバルト、リチウム、ニッケルといった戦略的金属の深海底での採掘は、水中生物に及ぼす悪影響のため見解が分かれます。

深海底採掘活動のメリットは、発生するコストとの対比で見解が分かれます。深海底採掘には、酸化マンガン鉱物を含有する団塊(ノジュール)の採取を伴います。マンガン団塊は、クリーンエネルギー・ソリューションやデジタル技術に不可欠な金属の供給源であり、陸地上での供給に問題が生じた際の代替手段となります。では、一体どのようなコストが見込まれるのでしょうか。

海底採掘は、海洋生態系に対し容易に回復や埋め合わせができないほどの重大な損害を与えます。海底の団塊は海洋生態系にとって極めて重要な役割を果たし、獲物が捕食者を避けることのできる生息地として、また海洋生物の多様性を保全する要として機能しています。採掘活動は、海底、生息環境、食物連鎖に害を及ぼし、海洋生態系にとっての脅威となります。

プランクトンが持つ力

衛星技術や測定技術の進歩は、海洋生態系の広がりについて科学者の理解を深めました。深海の生物多様性に対する被害は沿岸生態系に波及し、食料安全保障や漁業者などの生計に重大な社会的影響を及ぼしかねません。植物プランクトンのような無害な生物が気候に多大な影響を及ぼします。国際通貨基金(IMF)によると、これらの微細な水中植物は、地球上の酸素の約50%を産出し、アマゾン熱帯雨林の4倍の二酸化炭素を吸収します1。また、これらの植物は、医療革新のための重要な素材も提供します。

科学的アプローチの必要性

生物多様性に富む海底での採掘による悪影響は、陸地上での採掘とは段違いです。これは、生物多様性保全における海洋生態系の役割が複雑に相互関連しており、被害がより広範囲に及び、そして悪影響からの回復には困難が伴うためです。海底採掘による悪影響は、発生地周辺からかなり広範囲に及ぶ可能性があり、海洋被害の修復には非常に多額の経済的コストを要します。

重要な鉱物のために本当に海底まで行く必要があるのでしょうか。付随するリスクやコストを考えた場合、より影響の小さい深海底採取法を信頼できる形で追求しようとすると、しっかりとした科学的根拠に基づく強力なガバナンスが求められます。一方、資源の利用可能性という世界的な問題に対し、考えられる代替ソリューションとして、廃棄鉱物・金属の再利用を取り入れたサーキュラーエコノミー(循環経済)のアプローチが浮上しています。

原材料の需要に関する弊社のブログ記事「原材料に対する重要な考え方」をご覧ください。

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