サプライチェーンのイノベーションに乗じる

2022/05/26
Port of Long Beach

Summary

サプライチェーンはこのところ、物流に混乱をもたらし、インフレ圧力に拍車をかける前例のない一連の世界的な出来事に翻弄されています。しかし、こうした困難な状況は同時に、イノベーションも加速しており、貿易を効率化するための人工知能への投資から物流を確保するためのサプライヤーの多様化まで、さまざまな革新が起こっています。今日の混乱は、さらなる混乱から将来的にサプライチェーンを守る取り組みに投資する大きな機会を生んでいます。

要点

  • 新型コロナウイルスのパンデミックの中、サプライヤーは需要の急増になかなか対応できなくなり、サプライチェーンが逼迫しています
  • ロシア軍によるウクライナ侵攻は、サプライチェーンの混乱に拍車をかけ、エネルギーや主要な原材料の価格をさらに押し上げています
  • 貿易の混乱は企業収益に影響を与える可能性がありますが、企業はサプライチェーンの改革とテクノロジーへの投資によってリスクの軽減を図っています
  • こうした混乱の中、データセンター、自動化、農業技術などのセクターに投資機会を見出すことができます

ガソリン価格の上昇から半導体チップの確保の遅れまで、消費者と企業は、サプライチェーンの混乱による影響を肌で感じています。混乱の原因は、一部のセクターで数年にわたり続いている脱グローバル化や新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)、そして直近ではロシア・ウクライナ情勢までさまざまであり、インフレを押し上げるとともに、すでにインフレ期待の変化に直面している市場に難しい課題をもたらしています(図表1参照)。しかし、それは同時に、商業の世界や商品・サービスの取引の方法に大きな変化を引き起こし、投資家にとってエキサイティングな機会を生み出しています。

なぜ、サプライチェーンが打撃を受けているのか?

新型コロナウイルスのパンデミックは、サプライチェーンに大きな混乱を引き起こしました。港や工場をはじめビジネス活動が経済のロックダウンによって制限される中、小売業者や卸売業者、製造業者は個人消費の急激な変化―最初は落ち込んだものの、政府の財政支援もあってその後需要が急増―に右往左往することになりました。サプライチェーンのリードタイムが長期化していることから、ニーズの高い商品のサプライヤーは、需要のペースになかなか追い付けず、納期の遅れと価格の上昇を招きました1

その他にも、2021年は、欧州における深刻な洪水、テキサス州を襲った冬の嵐、主要な航路であるスエズ運河の6日間にわたる封鎖など、単発的な出来事が多発し、貿易をさらに妨げました。

こうしたボトルネックによるサプライチェーンの逼迫の表われとして、2021年12月の太平洋横断輸送は平均80日かかり、前年同期比で37日も長くなりました2

パンデミック前も、サプライチェーンは、忍び寄る保護主義の兆候や、米中間の貿易紛争や英国のEU離脱に示される、より自給自足的なあり方を目指す動きによる緊張にさらされていました。

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図表1:グローバル・サプライチェーン圧力指数

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注:バルチック海運指数(BDI)とHarpexコンテナ指数のデータを用いた海上輸送コストのデータと、BLS航空貨物運賃指数のデータを用いた航空輸送コストの推定値を使用して測定した世界の輸送コストに基づく
出所:ニューヨーク連邦準備銀行

 

ロシアとウクライナをめぐる不確実性

世界貿易を妨げる最新の要因となっているのが、ウクライナ侵攻です。ロシアは、世界第2位の石油輸出国であり、ガス輸出では世界第1位であることから、危機の行方は世界経済を左右する2大商品に影響を及ぼします。原油価格は急騰し、2022年3月には1バレル130米ドルと、14年ぶりの高値となりました。これは、貿易に直接的な影響を及ぼしています。2月下旬に中国から欧州への空輸コストが80%上昇したと報じられたことを考えてみれば、その影響のほどは明らかです4

ロシアはパラジウムやニッケルといった原材料の一大産出国であり、また、ロシアとウクライナの両国とも小麦、大麦、トウモロコシ、肥料など多種多様なものを生産しているため、紛争は他のサプライチェーンにも衝撃を与えています。

この混乱は、世界のサプライチェーンにどのような変化をもたらしているか?

サプライチェーンの逼迫に対応するために、一部の企業は、さらなる混乱のリスクに備え事業活動のレジリエンスを高める方法を模索しています。多くの場合、サプライチェーンの柔軟性を高め、より強固にするための取り組みは、過去2年にわたる混乱以前に企業がすでに実施していた変革をスピードアップする形で行われています。

  1. 在庫の積み増し:

    パンデミックは世界のサプライチェーンに深い爪跡を残しました。背景には、ロックダウンやスタッフの病気により、一部の企業で在庫が尽きたことがあります。たとえば、大手自動車メーカーの少なくとも1社は、パンデミックによって部品の物流が途絶したために、2020年初めに生産活動を一時停止しました5

    こうした事態を受けて、企業の中には、何十年にもわたってサプライチェーン管理の基幹をなしてきたジャストインタイム方式を改め、より多くの在庫の保有を必要とするジャストインケース方式の採用を検討するところが出てきました。いくつかの自動車メーカーは、今後の納入を確実にするために半導体やバッテリーその他の主要な構成品の在庫を積み増していると報じられています。大手小売企業の間では、需要が高まり供給が不足する時期に備えて、特定の品目を大量に購入して保有する「パック・アンド・ホールド」という在庫戦略をより積極的に利用する動きが見られます。他の企業も、同様の動きを取っています。ガートナーが2020年後半にサプライチェーン担当者を対象に行った調査では、43%が在庫を増やすために現在投資しており11%が今後2年以内に投資を行う予定であることが明らかになりました6。 

  2. ニアショアリングとリショアリング:

    輸送費の高騰と原材料の入手の遅れにより、ニアショアリングを検討する企業が増えています。ニアショアリングとは、製造する製品の需要地に近い近隣国に製造やサプライヤー事業を移転することをいいます。欧州の一部ファッションブランドは、海上輸送費の上昇に対応するために、より多くの製造拠点をアジアから欧州市場に移すことを計画しています7

    重要な製造・供給拠点であるアジアでは、大陸内のサプライチェーンを多様化して、混乱に備える危機対応体制を構築する動きが見られます。この傾向を加速させているのが近年の米中貿易紛争とそれに伴う関税引き上げです。「チャイナプラスワン」のサプライチェーン戦略は、ベトナムやインドネシア、マレーシア、タイ、インドなど、中国以外のアジア諸国に恩恵をもたらしています。この「チャイナプラスワン」は、新型コロナウイルスのパンデミックで新たな注目を集めています。オーストラリアの物流企業トールグループの最近の調査では、調査対象の企業の4分の1以上が3年以内に業務の一部を中国以外の国に移転することを既に予定しているか計画中であり、うち32%が移転先としてベトナムを検討し、30%がインドを検討していることが明らかになりました8

    政府が海外から調達される主要部品への依存度を下げようとしているケースもあります。米国や欧州連合などは揃って、自国の半導体製造産業の振興計画を発表しています。こうした動きはやがて、自動車をはじめ半導体を搭載した製品に対する需要の高まりによって引き起こされている世界的な半導体不足の緩和に役立つかもしれません。

    最近の地政学的な緊張の高まりがもたらす長期的な影響の一つとして、世界が米国と中国を中心とする2大グローバルエコシステムに二極化していく可能性があります。その結果、サプライチェーンの再編が加速し、製造拠点を自国に戻すリショアリングにつながることも考えられます。
     
  3. テクノロジーへの投資:

    最近の不安定な情勢が浮き彫りにした課題の一つは、サプライチェーンのすべての段階を把握している企業が極めて少ないということです。リモートワークも、特有の課題をもたらしています。マッキンゼー・アンド・カンパニーが2021年に行った調査によれば、サプライチェーン責任者のうち、二次サプライヤー(ベンダーを通じて企業と契約しているサプライヤー)より下層のサプライヤーを可視化できていると答えたのはわずか2%でした9。ここでリスクに対する計画と対応に役立つのが、先進的なアナリティクスです。データを利用した事象のシミュレーションや洞察の深化を活用する企業が増えています。同じマッキンゼーの調査によると、パンデミックの管理がうまくいっていると回答した企業は、そうでない企業に比べ、パンデミック前から高度なアナリティクス能力を備えていると回答する割合が2.5倍も高いことが分かりました。

    ロボティクスも、サプライチェーンを変革する新しいテクノロジーです。近年、企業は人件費の上昇を補うためにロボットに頼り始めています。しかしその役割は、パンデミック中に企業が人手不足に悩まされたことから、いっそう不可欠なものとなりました。値段が下がる一方で、ますます有能になったロボットは、在庫確認やフルフィルメント業務といったルーチン業務のスピードと効率性を上げることができ、その結果として人間の労働者がより付加価値の高い業務に集中できるようになりました。 

この混乱は投資家にとってどのような意味を持つのか?

この混乱は、供給不足の影響を最も受けやすい資本財などのセクターにおいては企業の利幅を圧迫するかもしれませんが、同時に幅広いイノベーションも後押ししています。これは、投資家に機会をもたらします。

以下に、サプライチェーンの混乱に見舞われている世界における投資アイデアを4つ紹介します。

  • データセンター:サプライチェーンの混乱によってグローバルな商取引が揺らぐ中、サプライチェーンの複雑さの管理を向上させようとする企業が増えています。その結果、取引や業務のデジタル化への対処に役立つデータセンターやテクノロジーに対する需要が急速に高まっています。パンデミックによって加速したオンラインショッピングと在宅勤務の革命は、クラウド保存のニーズやネット接続しているデバイスの増加、eコマース、ストリーミングサービスから既に追い風を受けていたデータセンターにとって、さらなる追い風となっています。こうした要因が組み合わさったことで、このセクターへの投資は2021年に、JLLによれば60%も増えました。また、デーセンター内の設備のメーカーや関連サービスを提供する企業にも投資機会を見出すことができます。世界で2番目に大きいデータセンター市場である英国の場合、ブレグジットもさらなる促進要因となっています。背景には、英国独自のデータ保護法への移行により、データセンター施設を開設または拡張する企業が増えていることがあります。他の国でも、政府規制が需要の喚起に一役買っています。中国、トルコ、オーストラリア、フランス、ドイツでは、程度の差はあるものの特定の個人データを国内に保管することを義務付けるデータローカライゼーション規制を導入しています10

    投資のポイント: データセンターは、投資の分散と、長期的な成長ドライバーを持つ資産への投資が期待できる分野です。
     
  • 農業技術:ロシア政府は最近、200種類を超える商品の輸出を禁止しましたが、その中には小麦や砂糖、農業機器といった主要なソフトコモディティが含まれていました。ロシアとウクライナはどちらもひまわり油のトップ生産国であることから、食料市場に混乱が広がっています。食料安全保障に対する懸念をさらに煽っているのは、小麦や大麦といったソフトコモディティの主要輸出国であるウクライナの農家による作付けの減少です。食料価格は、2022年2月の時点ですでに過去最高を記録しました。こうした中、代替の市場が模索され、農業技術や灌漑設備への投資増大の道が開かれることで、米国とラテンアメリカにおいて農業収入が増える可能性があると弊社は考えています。このセクターにおいては、気候変動によって干ばつや洪水などの自然災害が頻発するようになり、その影響を軽減するために食料サプライチェーンのレジリエンスを高めようとする国が増えていることから、長期成長の見通しが近年強まっています。新型コロナウイルスのパンデミックも、供給不足によって農産物価格が高騰したため、追い風となりました。ロボットの利用からGPS技術までさまざまな農業技術を手がけるベンチャーキャピタルへの投資は、2020年に79億米ドルに急増し、前年比41%増となりました11。最新の農業技術は水、肥料、農薬の使用量の削減につながるため、この投資はさらに拡大すると思われます。

    投資のポイント:ウクライナとロシアの状況は、食料安全保障に対する注目をさらに強める可能性が高く、気候変動に対する世界の食料サプライチェーンのレジリエンスを高める上で長期的に不可欠な一部とみなされるセクターにさらなる追い風となりそうです。

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  • 再生可能エネルギー: ロシア・ウクライナ危機に触発された石油・ガス価格の高騰は、グローバル経済が変動の激しいエネルギー市場に対して脆弱であることを改めて痛感させるものとなっています。米国と英国によるロシア産の石油・ガス輸入の禁止やドイツが表明している2022年内のロシア産石油の輸入停止といった制裁措置は、将来における世界の化石燃料の供給をさらに不透明にしています。この混乱を受け、各国がエネルギーの独立性を高めようとしていることを背景に、特に天然ガスの輸入量の45%と石油の輸入量の約3分の1をロシアに依存している欧州では、再生可能エネルギーへの投資が加速することになるでしょう13。再生可能エネルギーは、地元で生産されることから、国際的なエネルギー供給源への依存を減らす最も効果的な戦略の一つです。欧州は以前から、エネルギー転換に力を入れてきました。欧州委員会は、EUの気候、エネルギー、運輸、税制政策を、2030年までに温室効果ガスの正味排出量を1990年年比で55%以上削減するという目標にふさわしいものにするための一連の提案を採択しました。政策当局が長期的な予定の前倒しや規制による支援の強化、支出増大を目指していることから、今回の危機は代替エネルギーにとって財政的・政治的に有意義な後押しになると考えられます。

    投資のポイント:ウクライナ情勢を受けて政治的・経済的に再生エネルギーへの注目が高まることは確実であり、その結果、民間投資家からの大規模な資金調達が必要となる可能性があります。

  • ロボティクス:在庫の積み増しの管理から貨物積載の効率化まで、ロボットは多くの企業において、サプライチェーン全体の複雑化に対する解決策とみなされるようになっています。一部のセクターでは脱グローバル化が進んだ結果、賃金上昇や全体的なインフレによるコスト増、供給ショックに直面しています。この環境下において、自動化とロボティクスへの投資は、脆弱なサプライチェーンが抱えるリスクを軽減する方法と受け止められるようになるでしょう。では、ロボティクスへの投資は長期的にどのぐらい拡大の余地があるでしょうか。現在、世界の製造業の従業員1万人当たりの産業用ロボットの数は126台、つまりロボット密度はおよそ1%です。韓国やシンガポールのような製造業の中心地でさえロボット密度が一ケタ台後半であることは、密度がはるかに低い中国、米国、フランスなどの市場において将来の成長の余地が大きいことを示しています(図表2参照)14

    投資のポイント: サプライチェーン全体において、顧客への配送方法が見直されており、供給とコストのリスクから将来的に自社の事業を守るために、ロボットが注目されるようになると思われます。
図表2:製造業におけるロボット密度

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注:世界のロボット密度は、ほぼ倍増―世界ロボット連盟(ifr.org)
出所:World Robotics 2021

 

今後のサプライチェーンの展望は? 

ウクライナ侵攻が起こる前、弊社の予測では、生産の伸びの回復に伴って2022年後半にはサプライチェーンが回復すると見ていました。しかし、ウクライナ危機はグローバル経済に対する新たな逆風となり、新型コロナウイルスのパンデミックからの緩やかな回復にとってさらなる下振れリスクとなっています。

事態は、侵攻の行方だけでなく、欧米がロシアに科している制裁措置の行方にも大きく左右されます。

コモディティ価格の高騰に加え、運送業者がロシアへの輸送をキャンセルしたり、石油メジャーが事業部門の売却を模索したり、一部の企業はロシアから完全撤退したりと、危機は企業社会全体に混乱をもたらしています。商業をさらに複雑にする動きとして、ロシアの一部の銀行が世界の金融システムから締め出される事態も生じています。

さらに、新型コロナウイルスのパンデミックも続いています。中国の主要地域における最近のロックダウンは、世界貿易に新たな障害となっています。

一部のセクターで長期にわたって脱グローバル化が進んでいることも、課題となるでしょう。たとえば、中国の双循環政策は、国内の消費者支出を押し上げる一方で、引き続き国際的な製造能力を高めるようとするもので、世界第2位の貿易国という同国の世界経済における役割と今後のサプライチェーンの発展を形作るのに一役買うと思われます。

1 問題をさらに大きくしているのが、消費者の需要の変動が、小売業者から卸売業者、製造業者へとサプライチェーンの上流に伝わっていく中で注文のずれによって増幅する「ブルウィップ効果」と呼ばれる現象です。これは、需要と供給のミスマッチを引き起こす可能性があります。
出所:Freight Waves: Imports take "dramatically longer" to reach US as bottlenecks bite, January 2022
出所:Freight Waves: Imports take "dramatically longer" to reach US as bottlenecks bite, January 2022
出所:CNBC: How the Russia-Ukraine war is worsening shipping snarls and pushing up freight rates, March 2022
出所:Reuters: Hyundai to halt South Korea output as China virus disrupts parts supply, February 2022
出所:Gartner Research: Supply Chain Executive Report: Future of Supply Chain — Crisis Shapes the Profession
出所:Reuters: How global supply chains are falling out of fashion, September 2021
出所:Toll Group: https://www.tollgroup.com/future-logistics/how-covid-19-has-accelerated-china-plus-one
出所:McKinsey & Company: How COVID-19 is reshaping supply chains, November 2021
10 出所:United States International Trade Commission: Data Centers Around the World: A Quick Look, May 2021
11 出所:AgFunder: 2021 Farm Tech Investment Report
12 出所:AgFunder: 2021 Farm Tech Investment Report
13 出所:International Energy Agency: Frequently Asked Questions on Energy Security, March 2022
14 出所:International Federation of Robotics: Robot density nearly doubled globally, December 2021

 

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インフレとの戦いにおいて検討すべき株式セクターと投資スタイル

2022/06/01
Aerial view sea port warehouse and container ship or crane ship working for delivery containers shipment

Summary

インフレが破壊的なほど高い水準にある間は、特定の株式セクターや投資スタイルへの資産配分を見直した方がよいでしょう。たとえば、エネルギーと一般消費財のセクターは歴史的に、インフレ期において生活必需品と公益事業よりも好調な成績を残しています。投資スタイルでは、バリュー、モメンタム、クオリティも、平均して好調な成績を収めています。

要点

  • エネルギーと素材などのセクターは、物理的な資産とコモディティとの結び付きが強いため、これらの企業の資産価値と製品価格は、インフレが進むと上昇する傾向があります。
  • スタイル投資を採用している投資家は、バリュー、モメンタム、クオリティを検討するとよいでしょう。これらの投資スタイルはインフレ期においてアウトパフォームする傾向にあることが、リサーチによって明らかになっています。
  • インフレをここ数十年で最高の水準に押し上げている要因として、世界的なパンデミックによる世界のサプライチェーン全般の混乱に加え、ウクライナ侵攻により、特にエネルギー、肥料、穀物の供給が乱れていることが挙げられます。