Global Multi Asset team

乱高下から安定へ?

6月の市場は激しく変動しました。そうした中、グローバル株式はほぼ前月と変わらない水準で月末を迎えました。月初めには中東の緊張再燃を受けて混乱したものの、米国・イラン間の合意、ホルムズ海峡の開放、原油価格の急落が報じられた後に反発しました。ただ、企業のAI支出増や半導体需要の軟化に対する懸念が再び増大したため、回復の勢いがそがれました。ヘルスケア、金融、資本財・サービスなどのセクターが上げを主導した欧州株はアウトパフォームしました。債券は、欧州中央銀行(ECB)および日銀の利上げや米連邦準備理事会(FRB)のタカ派姿勢にもかかわらず、原油価格の下落でインフレ見通しが落ち着いたことで緩やかに上昇しました。社債も上昇しました。ホルムズ海峡の原油輸送再開により月末にかけリスク選好度が上昇するなかで、米ドルが総じて強含んだ一方、ブレント原油は急落しました。

弊社は株式に対するスタンスをさらに強気に引き上げました。モメンタムの加速や、米国・イランの合意からテールリスクが低下し、マクロ経済環境が改善する兆しが見られたことを反映したためです。ただ、相場は依然として上位偏重で、AI主導の業績改善に左右される状態が一段と強まっており、この見解の引き上げは戦術的なものです。地域別では、欧州、日本、新興国市場へのスタンスをより強気にしました。最も選好しているのは、引き続き新興国市場です。モメンタムの強さやAIサプライチェーンにおける重要度がその理由です。米国株は、企業業績の改善と、半導体銘柄以外にもその勢いが波及する可能性に下支えされています。

債券では、グローバルソブリン債へのスタンスを弱気からニュートラルに変更しました。また、経済情勢の改善見通しを踏まえ、引き続き社債をややオーバーウェイトしています。英国債およびユーロ圏ソブリン債については、モメンタムの改善を受けてスタンスを引き上げました。米国債は依然、底堅い経済成長やインフレリスク、新議長が就任したFRBの対応を巡る不確実性が足かせとなっています。

為替では、対ユーロを中心に米ドルの強気姿勢を戦術的にさらに強めました。米国の経済指標の底堅さや、タカ派的なFRBの政策スタンス、資金の逃避先としての需要が支えとなっているためです。ただし、米ドルのバリュエーションは依然、伸長しています。コモディティにおいては、全般にポジションを減らしました。FRBのタカ派姿勢やドル高を受け、金および銅への見解も引き下げています。

戦術的な資産配分見解の要約

これらの戦術的見通しは、短期的な状況、ならびにチームの分析の方向性および確信をファンダメンタルおよびシステマティックな指標に基づき反映しています。見解は、ポートフォリオ構築の検討からは独立したものです。

出典:Bloomberg Finance LP、データは2026年6月30日時点。過去の実績は将来のリターンを保証するものではありません。

グローバル株式:MSCI World Net Total Return Local Index (USD), グローバル国債:FTSE World Government Bond Index - Developed Markets in USD terms (USD), コモディティ:Bloomberg ex-Agriculture & Livestock Capped 6 Month Forward Index (USD), 為替(米ドル):Bloomberg Dollar Spot, 米国株式:S&P 500 Net Total Return Index, ユーロ圏株式:EURO STOXX 50 Net Return Index (EUR), 日本株式:TOPIX Net Total Return Index (JPY), 新興国株式:MSCI Emerging Net Total Return USD Index (USD), 米国国債:Bloomberg US Govt Total Return Value Unhedged USD Index (USD), 英国債:J.P. Morgan GBI UK Unhedged LOC Index (GBP), ユーロ圏国債:J.P. Morgan EMU Investment Grade - Unhedged EURO Index (EUR), 米国ハイ・イールド債:Bloomberg US Corporate High Yield Total Return Index (USD), 新興国債券:J.P. Morgan EMBI Global Diversified Composite Index (USD), 原油:Bloomberg WTI Crude Oil Subindex Total Return (USD), 銅:Bloomberg Copper Subindex Total Return (USD), 金:Bloomberg Gold Subindex Total Return (USD), 米ドル(USD)と英ポンド(GBP)は、それぞれの通貨対ユーロ(EUR)、米ドル対日本円(JPY)で表示されています。

Top Insights

市場展望インサイト

インフラ分野には多様な投資機会がありますが、リスク面の制約から投資家の多くは先進国市場への投資にとどまっていました。しかし、ブレンド・ファイナンスの活用が進み、現在、新興国への投資機会へのアクセスは大きく広がりつつあります。

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日銀は次回会合で政策を据え置きつつも、引き締めバイアスを維持すると見込まれています。市場にとっての最大の関心事は、円安の再進行やエネルギー価格の上昇を受けて、日銀がより強い引き締め姿勢を打ち出すかどうかです。政策当局はこうした動向を認識しつつも、次回利上げの時期については慎重な姿勢を維持し、強いシグナルを発することは避けると予想されます。

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最近の経済指標は、金融政策の見通しを大きく変えることなく、FRBに一定の「様子見」の時間を与える内容となっています。6月の消費者物価上昇率は鈍化し、労働市場もやや過熱感が和らいだことで勢いが落ち着きました。このため、FOMCは7月28~29日の会合で、FF金利の誘導目標を3.50~3.75%に据え置くと予想しています。

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