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議決権行使と意見表明:一部の議案に事前に賛否を公表する理由

お客様は私たちが株主総会でどのような票を投じるかに関心を寄せ、株主のこの重要な権利を有効に活用することを強く望んでいます。

弊社は今年初め、一部の議案に対する弊社の賛否を年次株主総会に先行して公表する取り組みを始めました。企業の規模が拡大し、これに伴って投資家の持ち株比率が相対的に小さくなっているなかで、投資家は重要テーマに対する影響力を積極的に高めるための新しい方法を探っています。

なぜ事前に公表するのか

アリアンツ・グローバル・インベスターズは数千の投資先企業の株主総会において議決権を行使しています。ところが、慎重に投票を行っても、スチュワードシップにはなお差が生じ得ることがわかりました。

弊社と投資先企業の話し合いはプライベートで行われることが通例です。このため、弊社の期待は個々のレベルでしか共有できません。セクターや企業グループに共通する課題を弊社が特定できても、それを共有する効率的な方法ではないのです。

投資家は通常、持ち株比率を高めることで影響力を行使できます。ところが、企業の規模が拡大すると、大勢いる少数株主の1人に過ぎなくなります。議決権を行使する前に議案への見解を公表すれば、多くの議論を呼び起こすことができます。

なぜ一部なのか

議案への賛否は総会終了後にほどなく明らかになりますが、総会の前に賛否を公表することには違った意味があります。

事前公表を効果的に行うためには、集中した取り組みが必要です。このため弊社では、一定の企業が重点を置く主要テーマ、例えば、労働者の権利、排出量削減目標、石炭、生物多様性などのテーマを選んで行っています。

これらは多くの企業の中心テーマです。議案への賛否を事前に公にすれば、弊社が何を期待しているのか、他社の経営層に注意を喚起できます。

限界も

議決権の行使によってサステナビリティの水準を高められることは確かです。ただ、言うまでもありませんが、株主が決議に参加できるのは総会の議案に限られます。

しかも、多くの市場では株主決議は諮問であり、取締役会はたとえ過半数の株主の賛成が見込めても、決議を行わない決定を下すこともできます。これが意味しているのは、ほかのタイプの決議事項、例えば取締役選任に対する経営層の決議についても、私たちが事前表明を行う必要があるかもしれないということです。

次のステップは

弊社は、投票を通じた影響力の行使方法をさらに最適化することに取り組んでいます。テーマが進化し、投資家の好みが変化するなかで、スチュワードシップに対する弊社の各アプローチを広げていく予定です。

今年の株主総会シーズンが終了し、弊社は新たな動向について整理しています。これに当たり、別の種の決議事項に対する事前公表も含め、さまざまな選択肢を検討していきます。将来的に弊社独自の株主決議を提起する可能性もあります。

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