Sustainability | ~ 2 min. read
持続可能性にとって重要なものを測定する
サステナビリティデータのソースや情報サービス会社があふれかえる中、重要な情報を見極めることが難しくなっています。弊社には、この問題を解決するソリューションがあります。
「数えられるものすべてが重要なわけではない。重要なものすべてが数えられるわけではない」。アルバート・アインシュタインが言ったとされることの多いこの言葉は、サステナビリティデータの使用にも当てはまるかもしれません。非財務データを投資判断に組み込むことに関しては意見が一致しているものの、それをどのように行うかについては、意見の一致はほとんど見られません。
サステナビリティデータのけん引役である投資家と規制当局の間には、循環的なループが存在しています。重要な定性的要素があると、投資家は、それを自らに有利に利用するために測定対象に含めることを望みます。すると規制当局は、それをどう測定するかを決定しようとします。投資家はその測定方法についても自分に有利な状況を生み出そうとする、といった具合です。
その結果、環境・社会・ガバナンス(ESG)開示は飛躍的に増大し、いまや世界の大手グローバル企業の80%近く、世界の上位250社にいたっては96%がサステナビリティ報告を行っています1。しかし、測定の規模と複雑さは今後も変化していくことが予想されます。
過ぎたるは及ばざるがごとし?
投資家は今日、大量のサステナビリティデータがあちこちに散らばる状況に直面しています。サステナビリティデータを提供する情報サービス会社は、実に1,000社を超えています。さらにソースと方法論が多様化しているため、どの情報サービス会社とデータを利用すればいいのか、投資家が混乱するのは無理もありません。これを端的にまとめているのが、CFAインスティテュートが2021年に行った以下の相関分析です2。分析の結果は、情報サービス会社によって相関の度合いが大きく異なることを示しています。対照的に、成熟した信用格付機関は94%の相関を示しています。
表:ESG格付の相関(%)
出所:CFA Institute3
何が正解なのか?
アリアンツ・グローバル・インベスターズでは、重要な2つのポイントを認識しています。第1に、サステナビリティデータには独自のアーキテクチャが必要であり、第2に、情報サービス会社に依存している状況から脱却して、透明性が高く、十分な範囲をカバーする生データに焦点を当てる必要があるということです。
弊社のサステナビリティ・メソドロジーズ・アンド・アナリティクスチームは、独自開発したアプローチを用いて、最も関連性の高いデータを選定し、さまざまな方法論を一元的に集約・統合して、得られたインサイトを公開市場・非公開市場両方のアセットクラスのフロントオフィスツールに取り込んでいます。
生データに焦点を当てることで、最も関連性の高いデータを分離し、さまざまなデータ収集・解釈手法や提供手法、方法論を駆使して、非財務的な結果について理解を深め財務的なリターンと結び付けることが可能となります。さらに、データ環境の進化に合わせて容易に、より優れた新しいデータソースを組み込むこともできます。
スージーのご紹介
このアプローチは、弊社の新しいサステナビリティ・インサイト・エンジン「スージー(SusIE)」の中核をなすものです。スージーについては、今後のブログ記事で詳しくご紹介します。
また、サステナビリティデータに対する弊社のアプローチについては、以下の記事をご覧ください。 https://jp.allianzgi.com/ja-jp/jp-insights/outlook-and-commentary/sustainability-data-turning-the-tide
1 出所:KPMG Survey of Sustainability Reporting 2022, KPMG International, September 2022. Worldwide sample of the top 5800 companies represent a worldwide sample of the top 100 companies by revenue in 58 countries or jurisdictions, 5800 companies in total. World’s 250 largest companies represent the world’s 250 largest companies by revenue based on the 2021 Fortune 500 ranking.
2 CFA Institute is a global association of investment professionals which offers the Chartered Financial Analyst (CFA) designation.
3 Study on ESG ratings of 400 companies in 24 industries, Kevin Prall, “ESG Ratings: Navigating Through the Haze,” blog posting at CFA Institute, 10 August 2021.