China | ~ 5 min. read

中国とサステナビリティに関する弊社の考え方


アリアンツグローバルインベスターズは、中国とサステナビリティの双方への戦略的フォーカスのバランスと相関関係に対する姿勢に関して頻繁に質問を受けます。

弊社は、このテーマを軽視してはおらず、これらの2つのテーマが相互に排他的なテーマではない理由、そして、弊社がそのような重要な経済の変遷に対し、実用的なアプローチをどのように採用しているかについて、弊社の見解をご説明したいと思います。

中国の目標は、他の国々の目標と異なるものではありません。中国は安定性と信頼性を確保するために、弾力性があり、成長し続ける経済を築きたいと考えています。議論の大半は、彼らがそれらの目標をどのような方法で達成しようとしているかということに向けられています。

中国は、クリーンエネルギーにおける真のリーダーです。中国が世界の二酸化炭素の27%、世界の温室効果ガスの3分の1を占める排出国である1ことを踏まえれば、同国の技術的能力の発展は、中国自体のネットゼロへの道筋に役立つだけでなく、世界全体の目標にも貢献することになります。中国は、世界で最も多くの再生可能エネルギーを産出しており、風力および太陽光エネルギーの世界最大の産出国であるとともに、再生可能エネルギーに対する世界最大の投資国です。2 S&Pグローバルによれば、中国は2025年までに電力消費量の33%を再生可能エネルギーで賄うという目標の達成に向け順調に進んでいます。3

また、中国には、生物多様性の養成と保護についても果たすべき重要な役割があり、これはその住民のニーズを支える上で役立ちます。世界において、17のメガダイバース国(生物多様性の特に高い17ヶ国)が、世界の地表に占めるその面積が合わせて10%であるのに対し、生物多様性については少なくとも70%を占めており、中国はその1つに数えられています。4 中国の環境大臣は、歴史的な「30 by 30」生物多様性損失回復フレームワークに合意した、12月のCOP15会議において議長を務めました。
社会的テーマおよびガバナンスのテーマに取り組む

環境戦略や認証に関する連携は進んでいるようですが、同じ「ESG」の中でも、社会およびガバナンスの分野はより慎重に扱う必要があります。これらの検討事項の中で、最も慎重に扱うべきものは人権であり、9月の国連人権高等弁務官によるレポートの調査結果は、このテーマをヘッドラインとして扱いました。5 アセットマネージャーとしての弊社の課題は、弊社としてこれらのテーマに対してどのように取り組むことが最善であるのかということです。

資本市場への効率的なアクセスは、国家が強靭な財務特性を確保する1つの方法です。国連のビジネスと人権に関する指導原則の法令への統合がさらに進めば(例えば、EUが提案している企業サステナビリティデューデリジェンス指令6によって)、中国は世界の資本市場へのアクセスを確保し、拡大するために必要な基準を認識するようになるでしょう。

法令の枠組みが、中国と中国企業の(脱炭素化およびネットゼロイニシアティブについての)道筋の指針となる集団的・協調的エンゲージメントと融合すれば、社会問題およびガバナンス問題への対応に対する有意義なインセンティブが生まれる可能性もあります。除外することがよりシンプルな回答かもしれませんが、弊社は、真の移行を実現するために弊社が行使できる全ての影響力を活用するように努めるべきであると考えています。ガバナンス面については、中国企業が、正常化への期待に基づき、どのようにして開示および投資家エンゲージメントを進展させ、継続的に発展させてきたかは、注目に値します。
地政学的な類似性の回避

地政学的な面では、弊社は、ウクライナとの類似性の認識にも一定の影響を受けた、台湾をめぐる緊張の高まりを認識しています。弊社は、類似性は見当違いであり、類似点よりも相違点の方が多いと考えています。台湾においては繊細な状況が何十年にもわたって現状として続いていることを改めて強調しておく価値はあるでしょう。さらに、中国はロシアではないわけであり、全ての国が昨年の出来事から重要な教訓を学ぶことになるでしょう。

弊社は、持続可能性への移行の経路が多くの面で複雑であるとともに、厳しく、不均一で、対立を招くものとなる可能性があることを認識しています-中国も例外ではありません。企業として、弊社は排除することよりも関与する事を選好しますが、明確なガイドラインの範囲内で、上海におけるプレゼンスを拡大することによって、これを目指す上で有利な立場にあります。中国は5ヶ年計画に基づき運営されており、2021年に第14次計画が導入された際には、定量的な成長から質的な開発への明確な移行がありました。中国が2026年の第15次計画に近づくにつれて、同国の開発戦略に貢献する機会が訪れるでしょう。

1 https://www.worldbank.org/en/news/press-release/2022/10/12/china-s-transition-to-a-low-carbon-economy-and-climate-resilience-needs-shifts-in-resources-and-technologies
2 Column: China widens renewable energy supply lead with wind power push | Reuters
3 https://www.spglobal.com/commodityinsights/en/market-insights/latest-news/energy-transition/092322-china-could-exceed-renewables-generation-target-of-33-by-2025#:~:text=According%20to%20the%20NEA%20report,to%20the%20intermittency%20of%20renewables.
4 国連環境計画の世界自然保護モニタリングセンター(WCMC)は、合計17のメガダイバースの国々(生物多様性の特に高い17ヶ国)を特定しました: オーストラリア、ブラジル、中国、コロンビア、エクアドル、アメリカ、フィリピン、インド、インドネシア、マダガスカル、マレーシア、メキシコ、パプアニューギニア、ペルー、コンゴ民主共和国、南アフリカ、ベネズエラです。
5 https://www.ohchr.org/en/press-releases/2022/09/xinjiang-report-china-must-address-grave-human-rights-violations-and-world
6 https://commission.europa.eu/business-economy-euro/doing-business-eu/corporate-sustainability-due-diligence_en

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