Sustainability | ~ 4 min read
テクノロジーを活かしてエンゲージメントに共同で取り組む
サステナビリティに取り組む運用会社であるアリアンツGIにとり、世界がいま直面している課題と機会に対応する方法を見出すことはその使命の鍵となります。その一環として、弊社は企業エンゲージメントで得たデータの活用を拡大し、企業の行動が一層責任あるものになることを後押ししています。
アリアンツGIは、データをサステナブル投資戦略全体の中核に据えています。一方、エンゲージメント活動に対しても同様にテクノロジー主導のアプローチをとっています。
弊社が全社的に使用しているサステナビリティ・インサイト・エンジン、「スージー(SusIE)」には、今ではエンゲージメント専用モジュールが搭載されています。このモジュールにより投資プラットフォーム全体で弊社エンゲージメント活動の透明性が向上しているほか、弊社のエンゲージメント基準が強化され、エンゲージメントのレポート作成インフラも改善しています。
モジュールはどうやってこれを実現しているのでしょうか。答えは極めてシンプルです。この新モジュールでは、エンゲージメント関連の情報が一カ所に集約されています。このため、エンゲージメントについて議論するたびにボタンをクリックするだけで、詳細な情報、例えば、エンゲージメントの全般的状況や、コンタクトをとっている企業取締役・役員の氏名、企業と議論したテーマ、エンゲージメント関連文書などを入手できます。
SusIEはこのほか、スチュワードシップの成果や、そうした成果と過去における投資先企業とのエンゲージメントとの関連性も捕捉できるため、エンゲージメントの長期的な進捗について重要な展望も与えてくれます。
共同作業がエンゲージメント戦略の中心
アリアンツGIは、自社データセットを発展させて購入データへの依存から脱却し、「サステナビリティを形作る存在 」になることを目指しています。自社開発のエンゲージメントモジュールの立ち上げは、この目標の達成に貢献するものです。弊社ではデータ購入に代え、自社開発の独立したソースを使うことを優先させています。
モジュールによって弊社のエンゲージメント戦略は加速しており、2023年には32拠点374企業との間で481の活発なエンゲージメントが記録されました。
エンゲージメントは共同作業の側面が強まっています。SusIEを活用することで、スチュワードシップのアナリストや、アセットクラス全体のポートフォリオマネージャーと投資アナリストはサステナビリティのエンゲージメント活動を一カ所に集約して記録できます。別のエンゲージメントや後続の議論との関連付けを時間の制限なく行えるため、調整や一貫性のある追跡の点でも改善があります。
結果として、透明性が高まったほか、成果を上げるためのアセットクラス間のコミュニケーションが増えるという互恵的メリットがあることが明らかになりました。例えば、株式ポートフォリオマネージャーがエンゲージメントを開始したとすると、これがクレジットアナリストによって継続され、スチュワードシップアナリストが完了させるということが、SusIE上ですべて捕捉できます。
弊社はこのテクノロジーの開発を続けており、年内にはエンゲージメントの新たな機能を追加する見通しです。新機能には、エンゲージメントの準備ツール、フォローアップ計画のための機能、タグ付けの強化などがあり、これらによってアセットクラス全体のエンゲージメントの調整がさらに進むとみられます。