Biodiversity | ~ 5 min read
生物多様性計画が一体化するとき
今年の国際生物多様性の日に、ステークホルダーは、この重要な課題に必要となる協調的な取組みを認識し、計画に参加することが推奨されます。弊社にとって、これは、このテーマをエンゲージメント戦略の中心に据え、いくつかの具体的な課題を強調することを意味します。
生物多様性に焦点を当てた2022年後半のCOP15は、自然保護を世界的な喫緊の課題へと格上げしました。この会議は、2030年までに生物多様性の損失を食い止め、2050年までに生態系を回復することを目的とする、昆明・モントリオール世界生物多様性枠組み(Global Biodiversity Framework : GBF)の採択をもって閉幕しました。
弊社は、この課題をエンゲージメントの取組みの中心に据えています。ダイバーシティについて企業とのエンゲージメントを行うことは重要ですが、同時に複雑さも伴います。この問題に対処するために、弊社は、多様な生物が生息する生態系に最も大きな影響を与え、また依存している産業セクターに焦点を当てた、生物多様性エンゲージメント枠組み1を開発しました。
弊社は、セクター固有の重要業績指標(KPI)に基づく明確な期待を携え、これらのセクター全体に及ぶ企業とエンゲージメントを行っています。2022年以来、弊社は生物多様性に特化した30件を超えるエンゲージメント、及び生物多様性のテーマに関する議論を含む、より広範な100件を超えるエンゲージメントを完了しました。
課題に立ち向かう
生物多様性の急速な低下は新しいテーマではありませんが、このテーマを戦略的な意思決定により幅広く取り入れる傾向は、今も進展しています。弊社は、弊社が行った詳細なエンゲージメントの対話をもとに、6つの重要な課題を特定しました。
- 企業は、データや手法が未熟であるため、GBFに従うことについて後ろ向きである。
- この問題に対処するための取締役会の専門性の発展が遅れている。
- 気候変動の進行と、その生物多様性との相関性が、生物多様性行動に対するガバナンス及び戦略への教訓をもたらす可能性がある。
- 影響と依存性に関し、質の高い、より広範な地域を網羅するデータが緊急に必要とされている。
- 様々なセクターに及ぶ先発企業が、様々な手法を用いて生物多様性の評価を実施しており、その第一段階の結果は、早ければ2024年末にも見込まれている。
- 生物多様性への投資リスクは、生物多様性がもたらす機会によってバランスをとる必要がある。
協力が不可欠
生物多様性のための適応と、生物多様性損失の緩和の規模については、業界の同業者、現地のステークホルダー、及び市場全体の取組みを結集した集団的な対応により、解決策を見出すことが必要です。急速に発展するネイチャー・アクション100(NA100)は、認識を高め、解決策のアイデアをクラウドソーシングすることによって、飛躍的な変化を起こすことを目的としています。弊社は、弊社の生物多様性のエンゲージメント及びスチュワードシップの範囲を拡大するため、積極的にNA100を支援します。
最近発表されたNA100企業ベンチマークは、生物多様性の分析及びエンゲージメントに対する、有用な枠組みを提供します。NA100の「企業に対する投資家の期待」に基づき、このベンチマークは、17の指標と50の測定基準を基盤とする6つの中核的な指標を設定しており、確立された報告・開示フレームワークを統合しつつ、先住権、気候変動及び自然について連携したロビー活動を取り入れたバリューチェーン・アプローチを採用しています2。
このベンチマークの、セクターにとらわれないアプローチは互換性を支援しますが、一方で、投資家は、依然としてセクター固有の問題及び業績基準を考慮する必要があります。
1 Source: The rules of engagement to protect biodiversity | AllianzGI
2 These frameworks are the Corporate Sustainability Reporting Directive, Science Based Targets Network and the Taskforce for Nature-related Financial Disclosures.