Biodiversity | ~ 3 min read

チョコレートをさらにおいしくする方法

ここ数週間、ココアの価格が世界的に前例のない水準に達しています。この価格高騰は、ココア産業が直面する問題の深刻さを反映しています。今年のイースターにチョコレートをよりサステナブルな形で楽しむ方法はあるのでしょうか。

世界のチョコレートの大半は欧州および北米で消費されており、イースターには消費が急増します。チョコレートで作られたイースターエッグは、英国だけでも毎年8,000万~9,000万個消費されていると推定されます。

ところが、チョコレートの生産に使用するココアはほとんどが西アフリカで栽培されています。このため、この地域は世界のチョコレート消費に非常に大きな影響を受けます。

2023年年初以降、世界のココア価格は150%以上も上昇しており、トン当たり約6,500米ドルという記録的高値に達しています。この継続的な価格変動はこの産業モデルの構造的欠陥を反映したものであり、この問題に対応することや、ココアのバリューチェーンのサステナビリティを再考することがかつてないほど差し迫った課題になっています。

ココア産業が直面している問題とは

ココアのグローバルバリューチェーンは、気候変動によって大きな混乱に陥っています。コートジボワールとガーナは世界のココア生産の上位2カ国であり、両国だけで世界のココア生産の3分の2を占めています。ところが、この2カ国のココア生産量は、エルニーニョ現象が原因の干ばつにより減少が続いています。加えて、重大な真菌病である褐色腐敗病もココアの生産量に深刻な影響を及ぼしており、世界の生産減の最大40%がこの病害に起因しています。

また、ココアの需要増大が森林破壊と過剰な農薬使用を招いており、違法な森林伐採の70%がコートジボワールのココア栽培に関連していると推定されています。

このほか、ココア生産の労働条件は苛酷で、児童労働が横行しています。これは、農民が収益から公正な取り分を得ていないことにも繋がる問題になっています。ジェンダー不平等の問題もあります。女性はココア生産において重要な役割を担っていながら、過小評価されています。世界で600万人がココア生産に従事していますが、これらの労働者が受け取る賃金は平均で板チョコの最終価格のわずか6%に過ぎません。

サステナブルなココアへの道

チョコレートの需要増に対応する上で、この業界のエコロジカルフットプリントを低減することが重要になります。森林破壊の流れを逆転させる取り組みや、多機能な土地利用を促すアグロフォレストリーなどによって農業慣行を改善させる取り組みは、その一例です。

ただし、こうした取り組みは、農民の所得改善を目指したり、資源や融資に対する農民のアクセスを促進したりする革新的な対策によってのみ、実現することができるでしょう。

投資家は、この業界の抜本的変化を促す投資を加速させることで、重要な役割を果たすことができます。例えば、商品のトレーサビリティの向上や、認証制度の改善、公正な価格設定の支援といった取り組みもこれに含まれます。投資家はこのほか、積極的なエンゲージメントによって投資先企業の行動をモニタリングすることもできます。

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