Embracing Disruption

メタバースは現実になるか

メタバースについて現在みられる標準的な定義では、その破壊力や変革力が過小評価されていると弊社は考えています。メタバースは「現実」世界とデジタル世界をシームレスに統合することで、これまでにないレベルの相互接続性を生みます。さらに、投資家にも新たに大きな機会をもたすでしょう。

要点
  • 「ディスラプション(破壊的な変革) 」を取り入れるということは、新しい技術が起こす変化がテクノロジー部門をはるかに超えて波及し、私たちの生活のすみずみに行き渡ることを意味しています。このトレンドの最も代表的な例がメタバースです。
  • オンラインゲームやビデオ通話などのデジタル世界の導入が進む中で、メタバースはデジタル世界と物理世界をシームレスに相互接続する新しいフロンティアになっています。
  • 「現実世界」のデジタル化に対する人々の違和感が薄らぐのに伴い、メタバース分野の企業全体の収益は2040年には総計25兆~30兆米ドルに達すると期待されています。
  • メタバースによって「現実世界」とデジタル世界の相互運用性が高まるにつれ、従来デジタル化が進んでいなかった業種にもメタバースが広がり、多くの投資機会が生まれるとみられます。

ここで言うディスラプションは、従来の考え方、つまり、テクノロジー部門に限定された現象としての捉え方とは異なります。確かに、ディスラプションは配車サービスやレンタルなどのイノベーションから始まったかもしれません。しかし、現在ディスラプションは、着実にヘルスケアやスマートホームなど、私たちの生活のあらゆる側面に行き渡っています。こうした破壊的なトレンドが競争環境を変え、競争の「勝者」と「敗者」を再定義するだろうとみられ、メタバースの出現は、いま起こりつつあるこの変化をはっきりと示しています。弊社は「メタバース」を仮想現実に限定された空間として捉えているのではありません。むしろ、この30年の間に日常生活のほぼすべての側面でみられた急速なデジタル化が頂点に達したものと捉えています。そしてこのことが、投資家に大きな 機会をもたらすだろうと考えています。

メタバースは数十年に及ぶデジタル化の産物

「メタバース」は新しい語で、見解の一致した定義がありません。ほとんどの場合、仮想現実または拡張現実が可能にするデジタル世界や仮想空間を表す語として使用されています。しかし、弊社はこの定義があまりにも狭いと考えています。メタバースはむしろ、物理的世界とデジタル世界をシームレスに統合するものとして捉えられるべきです。メタバースはデジタルアイデンティティが物理的アイデンティティと同じ価値を持つ空間であり、スティーブン・スピルバーグ監督の映画「レディ・プレイヤー1」 に描かれたような、仮想現実や拡張現実で訪れる単なるデジタルな別空間ではありません。弊社の定義では、メタバースとWeb3.0(ブロックチェーン技術をベースとするインターネットの一種で、これまでとは異なるレベルの相互接続性を支援する)は、コインの表と裏の関係です。したがって、メタバースは、社会の進化に重大な変化をもたらす、メガトレンドであると考えています。

デジタルネイティブ:拡大する人口統計学的コホート

世界的にインターネットの導入が広がり続け、それぞれの年齢コホートが前世代に比べ規模を増していることは、データから明らかです。この状況がますます多くの「デジタルネイティブ」、つまり、デジタル空間で働き、生活することを当たり前の習慣とする人々を生み出しています。デジタルネイティブの増加に伴い、1日当たりのインターネット使用時間も増えています。このため、弊社はメタバース分野の企業全体の収益が2040年には総計25兆~30兆米ドルに達する可能性があるとみています。これは、現在インターネットが創出する同等の収益に比べ、4倍規模に相当します。

投資家が検討するべき持続可能な投資アイディア:
将来的なドライバー

デジタルの進化が起きる以前は、物理世界だけが注目されていました。ところが、テレビの登場、そしてこれに続くコンピューターや携帯電話の出現を受け、注目の対象がますますデジタル世界へ向けられるようになりました。このトレンドは今後も続くと予想されます。デジタル世界に注目が移るのに伴い、物理世界の多くの概念がデジタル世界に出現しているのを目にします。以下にその例をいくつか挙げます。

  • 新型コロナウイルスのパンデミック下では、リモートワークが取り入れられました。ビデオ会議を提供するあるサービスでは、現在、年間3兆3,000億分間のビデオ通話が行われています。
  • 現実世界(In-real-life、IRL)の友人同士が、新旧の ソーシャルネットワーク上でオンラインコミュニティを形成しています。そのいくつかは過去10年に急成長を遂げました。
  • 従来は5人制サッカーやリトルリーグベースボールでみられたカマラデリー(仲間意識) を、いまではオンラインのマルチプレーヤーゲームでみることができます。こうしたゲームは1日に数千万人が利用するプラットフォームで行われています。
  • 拡張現実(AR)フィルターはメイクアップの新しい道具です。ソーシャルメディア上で新しいフィルターを使うとしたら、現実世界で言う従来からの「きれい」の定義に合わせることは重要でしょうか。
  • 金銭や資産は、仮想通貨や非代替性トークン (NFT)を介してデジタル世界に移動しています。
     

Web2.0は地位を明け渡す—メタバースとWeb3.0の時代へ

Web2.0がソーシャルネットワークとクラウドコンピューティングの出現によるインターネットの大躍進を意味したように、Web3.0はブロックチェーン技術をベースとする新しいレベルの相互接続性を提供するとみられます。Web3.0は メタバースの基盤の一つです。Web3.0とメタバースを組み合わせることで、いくつかの重要テーマを実現できると予想されています。

  • デジタル世界と物理世界の相互運用性。ブロックチェーン上の共通の公開台帳により、非代替性トークン(NFT)や暗号通貨などのデジタル資産と物理世界とのやり取りが可能になり、不動産などの物理資産とデジタル世界のやり取りも可能となる。
  • 膨大なユーザースケールで、何千人ものユーザーが同時にやり取りできる。
  • 現在の見られる限られた相互作用とは対照的な臨場感。
  • クリエーターやユーザーが、顧客ではなくオーナーとなるような、新しいビジネスモデル。

これらの変化の多くにおいて、既に先行した動きが進んでいます。例えば、名だたるテクノロジー巨大企業がメタバースの構築に多額の資金を投じています。暗号通貨とNFTは利用が急増しており、ビデオ会議は日常生活の一部になっています。拡張現実フィルターを使えば、誰もがオンライン上で外見をよくすることができます。これらはいずれも、次のデジタル・トランスフォーメーションの波から生まれる投資機会の端緒に過ぎません。

メタバースの「現実世界」に備える:投資家に何を意味するのか

投資家はこのテーマをどのように利用するべきでしょうか。弊社はまず、Web3.0のインフラを構築する企業や、このインフラを活用するために構築されたアプリケーションエコシステム、さらに、相互運用可能なこれらのアプリケーションを介して出現するデジタル世界に投資機会があるとみています。

長期的にみれば、メタバースが拡大し、まだデジタル化が進んでいない多くの業種を取り込んでいくと弊社は考えています。例えばメタバースは、不動産資産台帳の管理の効率と透明性を高めるのに有用な可能性があります。メタバースがブロックチェーンを介して複雑な金融取引を合理化したり、製造業や農業のサプライチェーンを最適化する可能性もあります。投資家が複数の業種を横断的に利用し、この環境における勝者を見極めるべき理由も、ここにあります。

メタバースは現実のものになるでしょうか。この問いに対する弊社の答えはイエスです。「現実」世界とデジタル世界の区別が消失するにつれ、メタバースは遠くかけ離れた世界ではなくなります。メタバースは、文字どおりごく身近に存在しています。それは、メタバースがもたらす投資機会についても同様です。

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