日銀政策決定会合

日銀、政治的不確実性が解消するまでは政策を据え置く見通し

要点
  • 日本銀行(以下、日銀)は、10月の会合で政策を据え置くと予想します。日本では選挙の結果、与党が過半数を割り込むこととなり、政治的不透明感が高まり、また米国では中間選挙も控えていることから、今回は日銀による何らかの行動は予想されません。
  • これまでの経済動向は日銀の見通しに沿っており、10月会合で日銀が早急な行動を迫られる状況にはありません。
  • 展望レポートに有意の修正が加わるか、そして足元の円安に何らかの対応が行われるかが注目ポイントです。

 

日銀政策決定会合(10月30‐31日)の見通し

足元の経済指標は日銀の政策パスを裏付けるものです。また、利上げ継続の前提条件はまだ整ったままです。それにもかかわらず、日銀のメッセージは、10月会合で金利調整を急ぐ必要がないことを示しています。これには主に二つの理由があると弊社は考えます。

1に、日銀は日米の経済動向を確認しようとしています。10月分の日本の消費者物価指数は、会計年度が下期入りする中で企業の価格設定行動についての洞察を提供します。また、2025年春闘の賃上げ目標についても、より多くの情報が得られるようになります。連合はすでに「5%以上」の賃上げ目標を発表しています1。一方、堅調な米国の経済指標が日本経済をさらに下支えする可能性があります。第2に、日米ともに選挙があり、政治的不確実性は高まったままです。こうしたリスクを考慮すると、日銀は見通しがより明確になる12月まで判断を待ちたいところでしょう。

選挙結果、経済動向、円相場の動き次第で、次回の金利判断が12月か来年1月になる可能性があります。足元の円安は、通貨安がインフレ予測に再び上振れリスクをもたらす場合、当局の対応を加速させる可能性があります。10月に関しては、新しい展望レポートにおける修正内容と、足元の円安に対する重要な洞察が得られる可能性があります。

このような環境下、弊社は現在、日本国債についてほぼ中立的な見方をしています。利回り水準は調整されました。利上げサイクルに伴い利回りがさらに上昇する余地はあるものの、そのペースは緩やかになり、リスクは均衡に向かうでしょう。円相場について、弊社はやや前向きなスタンスを取ります。モメンタムは再びマイナスに転じましたが、バリュエーションは引き続き魅力的で、利回り格差も縮小傾向にあり、長期的に前向きなスタンスを維持します。日本株は、国内の構造的な原動力が持続し、世界経済も十分なペースで成長していることから、やや前向きなスタンスを維持します。しかし、政治的不確実性が解消されるまでは特に、短期的に多少の変動が生じる可能性はあります。また、現時点において、他の株式市場での投資機会に対する弊社の確信も強まっています。

※1 JUTC-RENGO, Oct 2024 https://www.jtuc-rengo.or.jp/activity/roudou/shuntou/index2025.html#matome

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