Embracing Disruption

2024年欧州株見通し

2023年は大方の予想とは異なる結果に終わりました。2023年には大部分のセグメントが2桁台のパフォーマンスをあげ、株式にとって好調な1年となりました。これはインフレに関する予想が外れたことが主な原因であり、地政学的事象は予想ほど大きな影響をもたらしませんでした。エネルギー価格は2021年末の水準に戻っています。中央銀行はインフレ率の低下に慎重に対応しており、下降トレンドが確認されれば金利政策が反転することは間違いないでしょう。ただ、(中銀のバランスシートの面で)マネーサプライが引き続き問題となっており、これを理由として利下げが先延ばしになる可能性もあります。

要点

  • インフレは、そのペースは一段と緩やかになりながらも低下が続き、2024年半ば以降に利下げが行われるかもしれません。
  • 不確実性が高い状態が続きますが、アナリストは2024年の欧州企業の収益が2023年比で約6%増加すると予測しています。
  • 銀行、自動車、エネルギーなど複数セクターでバリュエーションの魅力が高まるとみられます。
  • 2024年の株式市場の動向は金利環境の変化に影響を受けるでしょう。

2024年にはどのようなことが予想されるでしょうか。インフレは、そのペースが緩やかになりながらも低下が続くとみられ、中央銀行は遅くとも年半ばには利下げに踏み切る見通しです。とはいえ、2021年ほどの低水準は望ましくなく、このことが利下げの余地を小さくする点に投資家は留意する必要があります。

すべての銘柄がインフレや広範な市場情勢の恩恵を得られたわけではありません。米国を中心に大型テクノロジー株が市場のパフォーマンスを押し上げましたが、小型株はパフォーマンスが悪化し、バリュー株もグロース株に後れをとりました。最も好調だったのは金とダウ・ジョーンズ工業株でしたが、DAXとMSCIワールドも大きく上昇しました。また2023年には、極端なほどの市場リターンの集中がみられました。米国ではトップ7企業が市場リターンの約45%を生み出しました。上位7企業が創出したリターンは、欧州では10%未満、日本では34%、MSCIワールドでは44%でした。債券のパフォーマンスも良好でしたが、これはほとんど誰も予測できないことでした。債券市場は2023年最後の数週間とりわけ好調でしたが、それでも過去2年間の水準から回復を遂げるには不十分でした。

米国の大型テック株に有利なトレンドがどのくらい続くのかは、重要な問題の1つです。このトレンドが継続すれば、グロース株が引き続きバリュー株をアウトパフォームするでしょう。ただし、このことは市場全体には影響しないとみられます。バリュー株は余力の大きい銘柄の選択の幅が広く、現在過小評価されているために大きく上昇する可能性があり、加えて配当水準も良好です。小型株にも投資妙味があります。大幅に過小評価されていることに加え、多くの小規模企業が持つ成長特性が力を発揮し始めると思われます。

マクロ経済の動き—景気後退の回避

世界的な景気後退(リセッション)については依然誰もが関心を持っています。既にリセッションに入っているのか、それともこの先リセッションに陥るのか、そうであれば、どの程度深刻なものになるのか、といった関心です。2023年の世界の国内総生産(GDP)伸び率は、米国と一部の新興国市場が主導して2.5%超に落ち着く見通しです。先進国市場の状況は予測されていたよりも良好です。欧州のGDPは着実に増加しているものの、ドイツが足を引っ張っています。2023年には中国も世界のGDPの増加にプラスの寄与を果たしました。ただし、当初の予想ほどの勢いはありませんでした。

2024年に対するコンセンサスでは状況が変化すると予測されており、欧州が2023年に比して改善する一方、米国は悪化するとみられています。果たしてこのコンセンサスは正しいのでしょうか。ベース効果を考慮すると欧州に有利、米国に不利ではあるものの、雇用指標はこれとは異なる状況を示唆しています。さらに、米国と英国で実施される選挙もマクロ経済の動向を決定づけ、年末までの期間の不確実性を高める一因になると思われます。

日本ではプラスの成長が続く見通しです。中国は経済安定のため、必須と思われるあらゆる手段を講じて目下の危機からの脱却方法を模索し続けるでしょう。インフレ率が低下すれば、新興国市場の成長力はさらに高まるとみられます。このことがひいては資本財・サービスを中心とする欧州企業の追い風になる可能性があります。

収益、バリュエーションには明るい状況

2023年は難しい1年でしたが、大半の企業にとり好調な年でもありました。全体に収益が増加し、一部のセクターではとりわけバリュエーションが大きく上昇しました。

図表が示しているとおり、米国の大型7企業が大きな影響力を持っている市場は割高になっています。これら7銘柄を含めた場合、バリュエーションには割高感がありますが、これらを除いた場合には状況が若干異なります。実際のところ最も魅力的な市場は欧州と英国です。2023年には多くの不確実性があったにもかかわらず、全般に企業は極めて堅調な結果を達成できました。

2024年にはどのようなことが予想されるでしょうか。見通しの表明に際して企業は慎重な姿勢をとっており、回答の得られない疑問点が多いことが不確実性を高める一因になっています。インフレ、金利、地政学はいずれも正確な予想を困難にしています。アナリスト予想を最適の指針とするならば、欧州企業の2024年の収益は2023年に比べ6%増加する見通しです。また、欧州と英国の小型株もバリュエーションの点で極めて魅力的です。

当然のことながら、収益予想は慎重に利用する必要があります。年初に多くみられる大幅な上方修正は、後続の数カ月で撤回されることが頻繁にあります。

注目セクター:投資機会を探る

欧州では複数のセクターに上昇余地があります。 昨年好調だった銀行セクターは、なお割安にとどまっています。自動車セクターも同様の状況です。ただし、収益は下降トレンドにあります。エネルギー株もその歴史的水準からすると割安に評価されています。一方、テクノロジー株と贅沢品株はかなり割高な水準にあります。化学株は一見したところ妙味がないかにみえますが、エネルギー価格が下落し在庫調整の終了が予想されることから、収益が改善してバリュエーションの魅力が高まると思われます。

2024年にはどのようなことが予想されるでしょうか。前述のとおり銀行セクターは割安でバリュエーションが上昇する可能性がありますが、利ざやの縮小のほか、2023年は収益が極めて好調だったため今後の逆風を見込んでおくことも必要でしょう。化学などの景気循環株は、環境の改善が追い風になる見通しです。保険、生活必需品、ヘルスケアなどよりデフェンシブな株も恩恵を受けますが、こうした市場環境では需要が低くなる可能性もあります。

流動資産のフローの変化も考慮しなければなりません。次の図表から明らかなように、2022年および2023年には世界の投資家が欧州へのエクスポージャーを減らしました。その背景には地政学的問題のほか、他地域に比べ欧州企業の収益が悪化したことがありました。

地政学的な見通しに変化がないながらも、大半の企業の収益状況は2022年から大きく改善し、これが欧州企業のバリュエーションを魅力的にしています。これをよく反映している指標の1つが欧州市場の安定した配当利回りで、現在は3.7%の水準にあります。

株式市場は2024年も金利に大きく影響されるでしょう。インフレ指標が下降トレンドを示し続ければ、中央銀行はその機をとらえて利下げに踏み切る見通しです。金利の低下はグロース株のバリュエーションに好影響を与えて支えとなるほか、小型株など過小評価されているほかのセグメントにも恩恵が及ぶ見込みです。このように、説得力のある成長率に良好なバリュエーションが加わることで、投資家に利益がもたらされる可能性があるでしょう。

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