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テクノロジー企業の好業績が株式上昇の支えに

月次レポート | 2024年2月29日現在

2月のグローバル株式は上昇しました。特に中国、日本、米国の各市場が好調で、これを支えたのが中国における追加刺激策への期待と米経済の底堅さの持続、企業収益の堅調ぶりでした。セクターレベルでは、一般消費財・サービス、資本財・サービス、情報テクノロジーのグロース株のパフォーマンスが最も好調だった一方、公益、生活必需品、不動産、エネルギーは後れをとりました。

3月の利下げ期待が後退したことを受け、グローバル債券は売られました。米連邦準備制度理事会は、借り入れコストの早急な低下はないとしながらも、年後半に利下げに踏み切る可能性を示唆しています。社債は強弱まちまちの状況で、ハイ・イールド債がかろうじて利益を上げたのに対し、投資適格債は下落しました。

弊社は2月、先進国市場株式に対して一段と強気の姿勢をとりました。これは、強弱の入り混じったモメンタムや米経済指標の強さ、多くのテクノロジー企業の好業績に基づくものです。また、中国株のこのところの好調なパフォーマンスに支えられ、新興国市場株の定量的シグナルも大幅に改善しました。ただ、中国のファンダメンタルズの見通しをさらに改善させるには、中国人民銀行および中国政府による一段の決定的対応を確認する必要があると市場は考えているようです。

弊社は国債に対する強気姿勢を引き下げました。これは、労働市場の堅調ぶりと予想を上回る根強いインフレを背景に、利下げ観測が一段と後退した ことによるものです。

為替では、米国の経済指標が欧州より好調なことに鑑み、弊社は対ユーロの米ドルでファンダメンタルのポジション を追加しました。コモディティに対しては全般に慎重なスタンスを維持しているものの、2月には戦術的に金を追加しました。

戦略的な資産配分見解の要約

これらの戦術的 見通しは、短期的な状況、ならびにチームの分析の方向性および確信をファンダメンタルおよびシステマティックな指標に基づき反映しています。 見解は、ポートフォリオ構築の検討からは独立したものです。

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資産クラス
インデックス・リターン(%)
1カ月 /3カ月 /6カ月
資産クラスの見通し
強気/ 弱気
コメント
代表的な資産クラス
 グローバル株式 4.3 9.9 11.7    「ハードランディング」の懸念低下、堅調な企業収益、金融状況の緩和が追い風に
グローバル・ソブリン -1.5 1.2 1.4   中銀の金利見直しは悪材料だが、政策変更は中期的見通しにはプラス
コモディティ -1.5 -3.7 -6.3   センチメントは依然弱く、エネルギー商品の在庫水準が高い状況が続く
通貨 (米ドル) 0.5 0.4 0.3   テクニカル面の改善と米ドルのセンチメント改善を支えに、2024年はこれまで米ドルが上昇
株式
 米国株 5.3 12.0 13.9   経済指標とアップサイドのサプライズに支えられる。引き続きAI、テクノロジーが市場の主な原動力
欧州株 3.3 9.0 10.1   景気循環の安定に対する一時的期待、米国における着実なリスク選好、バリュエーションが追い風に
日本株 4.9 12.9 16.0   金融政策、企業収益、良好なモメンタムが重なる魅力的状況
新興国市場 4.8 3.8 4.9   中国は市場とセンチメントの安定に取り組んでいるが、刺激策はなお控え目。ほかの新興国市場の多くは好調
債券
 米国債 -1.3 1.8 1.7   予想外のインフレ率とテクニカルフローが重し、弊社は利回りが低下軌道をたどるとの予想を維持
英国債 -1.1 2.0 3.6   インフレ率低下が引き続き英国債の支え、弊社はイングランド銀行が第2四半期後半に利下げに踏み切ると予想
ユーロ圏ソブリン -1.1 1.9 2.6   ファンダメンタルズの悪化とこのところの金利の見直しを踏まえ、弊社はユーロ圏ソブリン債のロングポジションを選好
米国ハイ・イールド
0.3 4.0 6.2    良好なモメンタムとリスクオン姿勢は強気の見方を支持するも、弊社はバリュエーションがタイトな点に留意
エマージング債 1.4 5.3 6.5   米金融政策の方向性が明確になったことが支援材料、新興国市場のファンダメンタルズも改善
コモディティと通貨
原油 3.7 4.0 -1.7   投機的ポジションは非常に小さく在庫水準も依然低いが、OPECプラスの余剰生産能力は高い
-1.7 0.7 1.6   供給サイドは当面タイトな状況が続くが、短期的には中国経済の低迷が足を引っ張る
0.2 0.4 5.4   米ドルが主因となり引き続きレンジ内にとどまる
USD vs. EUR 0.1 0.8 0.4    年初の上昇後、米ドルはユーロに対して勢いを失う。スプレッドと経済指標が変動要因に
USD vs. GBP 0.4 -0.8 0.0     景気循環通貨である英ポンドは、2024年はこれまでのところ好調、ボラティリティの低さが短期的に支援材料
USD vs. JPY 2.1 1.2 3.1    超緩和的な金融政策の出口について日銀から明確なガイダンスが示されず、日本円は下落

出所: Bloomberg Finance L.P, internal model and signals.; 2024年2月29日現在のデータ。

過去の運用実績やシミュレーション結果は、将来の運用成果等を保証するものではありません。 グローバル株式はMSCI AC World Daily TR、グローバルソブリンはFTSE World Government Bond Index - Developed Markets in USD、コモディティはBloomberg Commodity Index、通貨(米ドル)はBloomberg Dollar Spot、米国株式はS&P 500 Index、ユーロ圏株式はMSCI EMU Index(EUR)、日本株式はTOPIX Index(JPY)、新興国市場はMSCI EM NR、米国債は J. Morgan U.S.A. 国債Index、英国債はJ. Morgan U.S.A. 国債Index、 ユーロ圏ソブリンはJ. Morgan EMU Investment Grade Index、米州債はJ. Morgan U.S. A.,、米国債はDaily Daily TRで表示されています。米国債はJ.P. Morgan米国国債インデックス、英国ギルトはJ.P. Morgan英国国債インデックス、ユーロ圏ソブリンはJ.P. Morgan EMU投資適格指数、米国ハイ・イールドはBloomberg U.S. Indexで算出。Corporate High Yield、EM fixed income by J.P. Morgan EMBI Plus Index、Oil by S&P GSCI Crude Oil、Copper by BBG Copper TR、Gold by GOLD SPOT $/OZ. 通貨については、ユーロ(EUR)、日本円(JPY)、英ポンド(GBP)は、それぞれの通貨対米ドル(USD)で表示されています。

Top Insights

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経済情勢はこれまでのところ、日銀の見通しに概ね沿っています。成長は安定的に推移し、債券市場は底堅さを見せています。

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FRB9月に利下げサイクルを開始し、その政策対応機能の焦点がFRBに課された2つの使命のうち雇用側にシフトしたことを示唆して以降、労働市場の動向はそれなりに堅調なものでした。

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