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5月に売って去れ—それとも、とどまる?

月次レポート | 2024年5月31日現在

米国の労働市場およびインフレの指標が予想よりも軟調な結果となり、加えて成長および決算の内容が底堅かったことから、5月には市場が上昇傾向をたどりました。

4月に低調だった株式はその後、過去6カ月の力強い上昇軌道を取り戻しました。生成AI分野で先行する企業から極めて好調な決算が発表され、これがITおよび公益セクターの株価急騰を招きました。

変動の大きかった5月の米国の債券市場は米インフレ率が鈍化したことで月のリターンがプラスとなり、ほかの債券市場をアウトパフォームしました。一方、ユーロ圏ではインフレ総合指数が今年初の上昇をみせ、利回りが上昇しました。コモディティ市場では、迫る供給過剰の懸念から原油価格が3月以来の最安値をつけました。対照的に金属価格は上昇しました。 このような状況を背景に、5月には再び株式に対するアプローチを一段と強気にしました。弊社は強気のポジションを9カ月にわたって維持しており、極めて好調な結果をあげています。

変動の大きかった5月の米国の債券市場は米インフレ率が鈍化したことで月のリターンがプラスとなり、ほかの債券市場をアウトパフォームしました。一方、ユーロ圏ではインフレ総合指数が今年初の上昇をみせ、利回りが上昇しました。コモディティ市場では、迫る供給過剰の懸念から原油価格が3月以来の最安値をつけました。対照的に金属価格は上昇しました。 このような状況を背景に、5月には再び株式に対するアプローチを一段と強気にしました。弊社は強気のポジションを9カ月にわたって維持しており、極めて好調な結果をあげています。

債券市場については、わずかながらスタンスをさらに強気方向に変えました。中央銀行の年内利下げが予想される中で、数量的なスコアが改善したことが主な理由です。債券市場においては既にかなりの痛手が織り込まれています。米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長が追加利上げは検討していないと発言したことで、米債券投資家の間で不安が大きく後退しました。

コモディティに対しては概ね強気姿勢を維持しています。ただ、原油へのエクスポージャーを減らし、金についてはさらにロングポジションを増やしました。貴金属は目下の地政学的緊張から上向きの変動がさらに大きくなる可能性があります。為替市場では米ドルに対する見方をニュートラルに調整したほか、対日本円で米ドルの選好を強めました。

戦略的な資産配分見解の要約

これらの戦術的 見通しは、短期的な状況、ならびにチームの分析の方向性および確信をファンダメンタルおよびシステマティックな指標に基づき反映しています。 見解は、ポートフォリオ構築の検討からは独立したものです。

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資産クラス
インデックス・リターン(%)
1カ月 /3カ月 /6カ月
資産クラスの見通し
強気/ 弱気
コメント
代表的な資産クラス
 グローバル株式 4.1 3.8 14.1    市場のシナリオがソフトランディング、ノーランディング の間で揺れる中、グローバル株式の見通しは依然前向き
グローバル・ソブリン 1.1 -1.3 -0.1   米経済指標の軟化とインフレ見通しの落ち着きがグローバルソブリン債の支えに
コモディティ 1.8 8.0 3.9   堅調なグローバル経済に供給制限の継続も加わり、支援的な環境
通貨 (米ドル) -1.1 0.6 1.0   米ドルは5月に一服したが、スプレッドとセンチメントは依然として米ドルに支援的
株式
 米国株 5.0 3.9 16.4   第1四半期GDPはわずかに下方修正されるも、大部分の指標は事業活動の堅調ぶりを示す
欧州株 2.7 5.2 14.7   経済指標は意外な好結果、これにECBの利下げの意向も加わり、見通しは明るい
日本株 1.2 4.7 18.1   調整からの回復ペースでは他市場に遅れるも、長期トレンドと経済指標は依然良好
新興国市場 0.6 3.5 7.5   選好対象ではなく配分も低いが、ポジティブサプライズの可能性は最も高い
債券
 米国債 1.5 -0.2 1.6   直近では一部経済指標の軟化がソフトランディングシナリオを裏付け、米国債に前向きなスタンス
英国債 0.8 -0.5 1.5   予想より好調な指標と高めのインフレ率から早急な利下げの必要性は低下するも、引き続き利下げがベースケースシナリオ
ユーロ圏ソブリン -0.1 -0.5 1.4   ECBは6月に利下げに踏み切る見通しだが、ドイツ国債に好材料となるかどうかという点ではその後の利下げペースが重要
米国ハイ・イールド
1.1 1.3 5.4    ファンダメンタルズ、テクニカルとも良好で前向きなトレンドを支えるが、バリュエーションに対し弊社は依然、慎重な姿勢
エマージング債 1.5 1.7 7.1   ファンダメンタルズは前向きなトレンドを強めるが、米金利の高止まり長期化が主なリスク
コモディティと通貨
原油 -5.1 1.7 5.9   OPECプラスの減産は年末まで続く公算が大きく、ドライブシーズンの到来により原油市場の需給がタイトになる可能性
1.3 20.6 21.3   踏み上げ後のポジションが過剰、中期的に供給サイドはなおタイトで需要は旺盛
1.8 13.8 14.3   新興国市場中銀、個人投資家ともに引き続き金の備蓄を増加
USD vs. EUR -1.7 -0.4 0.4    スプレッドが依然米ドルの主なドライバー、センチメント、テクニカル面もなお米ドルに支援的
USD vs. GBP -0.3 -0.5 -1.3     イングランド銀行の政策変更を受け英ポンドが対ユーロで上昇、選挙を巡る不確実性が英ポンドの重し
USD vs. JPY -0.3 4.9 6.1    さらなる円安阻止のため財務省が介入、市場のセンチメントはなおネガティブ

出所: Bloomberg Finance L.P.; 2024年5月31日現在のデータ。

過去の運用実績は、将来の運用成果等を保証するものではありません。

グローバル株式はMSCI AC World Daily TR、グローバルソブリンはFTSE World Government Bond Index - Developed Markets in USD、コモディティはBloomberg Commodity Index、通貨(米ドル)はBloomberg Dollar Spot、米国株式はS&P 500 Index、ユーロ圏株式はMSCI EMU Index(EUR)、日本株式はTOPIX Index(JPY)、新興国市場はMSCI EM NR、米国債は J. Morgan U.S.A. 国債Index、英国債はJ. Morgan U.S.A. 国債Index、 ユーロ圏ソブリンはJ. Morgan EMU Investment Grade Index、米州債はJ. Morgan U.S. A.,、米国債はDaily Daily TRで表示されています。米国債はJ.P. Morgan米国国債インデックス、英国ギルトはJ.P. Morgan英国国債インデックス、ユーロ圏ソブリンはJ.P. Morgan EMU投資適格指数、米国ハイ・イールドはBloomberg U.S. Indexで算出。Corporate High Yield、EM fixed income by J.P. Morgan EMBI Plus Index、Oil by S&P GSCI Crude Oil、Copper by BBG Copper TR、Gold by GOLD SPOT $/OZ. 通貨については、米ドル(USD)と英ポンド(GBP)は、それぞれの通貨対ユーロ(EUR)、米ドル対日本円(JPY)で表示されています。

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