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人工知能、巨大テック企業株価の新たな上昇要因に

月次レポート | 2023年5月31日現在のデータ

米大手テック企業の株価は5月、人工知能(AI)アプリケーションと関連コンポーネントに対する収益予想の大幅な引き上げを受け、大きく反発しました。引き続くインフレ圧力や米国およびユーロ圏の短期物を中心とした金利上昇など、経済状況全般を考慮すると、この上昇はとりわけ印象的でした。米国の債務上限をめぐる議論がもたらした影響は一時的で、デフォルトのシナリオは消失しています。5月には日本の株式市場も大幅に上昇しました。この上昇を支えたのが、東京証券取引所のコーポレート・ガバナンス改善の取り組みや、全般に良好な経済見通し、支援的な金融政策の継続でした。一方、中国では5月の経済指標が期待外れに終わり、中国株式市場の下落を招きました。これが、下落基調が続いていたコモディティ市場にも反映された格好となりました。

こうした状況を踏まえ、弊社は、下表のとおり地域やセグメントにより大きな差はあるものの、株式と債券全般に概ね中立的なポジションを維持しています。コモディティについては、弊社の体系的指標による裏付けがないなかで戦術的な修正を行い、より慎重なスタンスに変更しました。ただし、特に原油に対しては構造的な楽観的スタンスを維持しています。また英国債については、経済の先行き不安の高まりを受けて投資妙味が増したことから、より明るい見通しに変更しました。

戦略的な資産配分見解の要約

これらの戦術的 見通しは、短期的な状況、ならびにチームの分析の方向性および確信を反映しています。 見解は、ポートフォリオ構築の検討からは独立したものです。

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資産クラス
インデックス・リターン(%)
1カ月 /3カ月 /6カ月
資産クラスの見通し
強気/ 弱気
コメント
代表的な資産クラス
 グローバル株式 -1.1 3.4 3.4     米国の銀行および債務上限をめぐる重大な懸念が過ぎ去ったとみられ、今月も落ち着いた展開
グローバル・ソブリン -2.2 2.0 1.3   米国の債務上限問題をめぐる前向きなセンチメントを受けて急上昇したが、堅調な経済指標が重しとなる
コモディティ -5.6 -6.5 -13.5   景気後退懸念と米ドルの上昇がコモディティを圧迫したが、供給は依然として逼迫
通貨 (米ドル) 1.6 -0.7 -1.9   米連邦準備制度理事会(FED)の政策のタカ派色の強まりによる利上げと為替市場のボラティリティ上昇により、米ドルの勢いが加速
株式
 米国株 0.4 5.7 3.3     AIラリー(NVIDIAだけで時価総額が2,500億米ドル増加)が米国株を支えたが、その他は取り残される
欧州株 -2.5 -0.3 7.1   Euro Stoxx 50(TR)は5月に過去最高をつけたが、最終的には2.5%低下して同月を終了
日本株 3.6 8.2 8.9   海外投資家の関心が集まるなかで、上昇の勢いは5月もさらに継続
新興国市場 -1.7 0.2 -0.4   中国市場再開が期待外れとなり、ほかの新興国市場が上昇したにもかかわらず、市場全体を圧迫
債券
 米国債 -1.1 2.2 1.7    FEDの引き締め策が成長率とインフレ率の上昇を圧迫するなかで、指標の底堅さから利回りが上昇
英国債 -3.6 -2.5 -7.3   予想を上回るインフレ率上昇から一段の利上げが見込まれるなか、先進国市場(DM)債券をアンダーパフォーム
ユーロ圏ソブリン 0.3 2.6 -1.9   コアインフレ率の指標が一部で落ち着き、当初は利回り急上昇が抑制されたが、米国債に追随
米国ハイ・イールド
-0.9 1.1 3.0     スプレッドは月内に急拡大した後に戻したが、トータルリターンを押し下げる
エマージング債 -1.3 1.0 1.0   先進国市場債券の利回り上昇が影響。債務上限問題に伴うボラティリティが過ぎ去り、デュレーションがマイナス要因に
コモディティと通貨
原油 -10.8 -10.5 -14.1     ロシアとサウジアラビアが生産を抑制、アップサイドの非対称性が強まる可能性
-6.1 -10.0 -0.7   中国の景気低迷が足を引っ張るが、ポジショニングは歴史的なショート、供給は逼迫、「グリーン需要の伸び」は堅調
-1.4 7.4 11.0   過去最高値となる2,060米ドル近辺の抵抗線から反発
USD vs. EUR 3.1 -1.1 -2.6     利回り格差が米ドル(USD)に有利に動きユーロ(EUR)は下落、バリュエーションはユーロを支える
USD vs. GBP -2.0 -2.3 -0.4     硬直的なインフレがイングランド銀行(BOE)に圧力をかけるなかで英ポンド(GBP)が上昇したが、成長率予想がGBPの上値を重くする見通し
USD vs. JPY 2.2 2.3 0.9     円(JPY)はハト派的な日銀(BOJ)に苦戦、リスク回避的環境とバリュエーションが円を支える

過去の運用実績やシミュレーション結果は、将来の運用成果等を保証するものではありません。

グローバル株式はMSCI AC World Daily TR、グローバルソブリンはFTSE World Government Bond Index - Developed Markets in USD、コモディティはBloomberg Commodity Index、通貨(米ドル)はBloomberg Dollar Spot、米国株式はS&P 500 Index、ユーロ圏株式はMSCI EMU Index(EUR)、日本株式はTOPIX Index(JPY)、新興国市場はMSCI EM NR、米国債は J. Morgan U.S.A. 国債Index、英国債はJ. Morgan U.S.A. 国債Index、 ユーロ圏ソブリンはJ. Morgan EMU Investment Grade Index、米州債はJ. Morgan U.S. A.,、米国債はDaily Daily TRで表示されています。米国債はJ.P. Morgan米国国債インデックス、英国ギルトはJ.P. Morgan英国国債インデックス、ユーロ圏ソブリンはJ.P. Morgan EMU投資適格指数、米国ハイ・イールドはBloomberg U.S. Indexで算出。Corporate High Yield、EM fixed income by J.P. Morgan EMBI Plus Index、Oil by S&P GSCI Crude Oil、Copper by BBG Copper TR、Gold by GOLD SPOT $/OZ. 通貨については、ユーロ(EUR)、日本円(JPY)、英ポンド(GBP)は、それぞれの通貨対米ドル(USD)で表示されています。

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