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記憶に留めておくべき11月

月次レポート | 2023年11月30日現在

11月のグローバル株式は急上昇し、新型コロナウイルスに効力のあるワクチンが登場して市場が上昇した 2020年11月以降、3年来で最も高いリターンを記録した月になりました。経済指標からソフトランディングが実現する公算が大きいことが示唆される中、米国と欧州の金利が天井を打ったとの見方が広がったことも、株価上昇を加速させました。グローバル債券もまた、2024年に金利が低下するとの楽観的見方が強まったことを受けて急反発しました。米国では11月に10年債利回りが50bp以上低下し、ブルームバーグ総合債券インデックス は月間としてこの40年近くで最も高いリターンをつけています。全般的には投資適格債(国債と社債)が一段とリスクの高いハイイールド債をアウトパフォームしました。また、米金利の急低下が見込まれたことで11月にはドル安が進みました。原油価格は、世界経済の減速を受け2024年に需要減が予想されていることを背景に、下落しました。

弊社は株式に強気の見解をとっています。これは、マクロ経済指標を巡る一連の好材料や、この季節の相場動向に基づいています。株式の中では依然として日本株を選好していますが、11月は米株式のオーバーウェイトも拡大しました。債券では、ファンダメンタル要因がしばらくの間国債の支えになってきましたが、市場サイクルも債券 の追い風になり始めています。一方、弊社はコモディティに慎重な見方を強めていますが、11月に大きく上昇した金については明確なオーバーウェイトを維持しています。地政学的紛争の継続や需給サイドの要因からエネルギー市場が上昇する可能性もありますが、センチメントは若干悪化していると思われます。通貨では、2024年に米国の利下げが予測されることを踏まえ、米ドル(USD)に慎重な見方を強めています。

戦略的な資産配分見解の要約

これらの戦術的 見通しは、短期的な状況、ならびにチームの分析の方向性および確信を反映しています。 見解は、ポートフォリオ構築の検討からは独立したものです。

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資産クラス
インデックス・リターン(%)
1カ月 /3カ月 /6カ月
資産クラスの見通し
強気/ 弱気
コメント
代表的な資産クラス
 グローバル株式 9.2 1.6 8.3    季節要因のほか、最新の米インフレ率からソフトランディングの期待が強まったことも、株式の支え
グローバル・ソブリン 5.0 0.2 -0.9   インフレの低下傾向の継続と2024年の利下げ観測が利回りを下押しする見込み
コモディティ -2.3 -2.7 6.8   地政学的紛争が継続するがセンチメントは依然弱い。需給見通しは堅調
通貨 (米ドル) -2.9 -0.1 -0.6   FRBが金融政策を変更し2024年の利下げが確実視されたことで、米ドルはG10の全通貨に対して下落
株式
 米国株 9.1 1.7 10.2   巨大テックを含む米国株はFRBによる2024年の利下げ見通しから活気づいているが、一部指標は軟化を示唆
欧州株 7.9 1.0 3.6   同様にインフレ指標の落ち着きに恩恵を受けるが、勢いは劣る。成長見通しがなお圧迫要因に
日本株 5.4 2.8 12.7   支援的な金融政策、企業収益の底堅さ、上昇トレンドの継続が重なり、魅力的環境
新興国市場 8.0 1.1 4.6   経済見通しは引き続き強弱まちまちだが、米ドル安が戦術的に格好の追い風に
債券
 米国債 3.4 0.0 -1.5    経済の底堅さと予測以上に良好なCPIを背景に、米国債利回りはピークアウト後、下降トレンドに
英国債 3.1 1.6 1.5   同様の物価動向と低調な成長見通しから、英国債利回りも低下
ユーロ圏ソブリン 3.0 0.7 0.7   経済指標の悪化にインフレ率低下も加わり、利回りは低下が続く見通し
米国ハイ・イールド
4.5 2.1 5.5     リスク選好からモメンタムが加速。依然としてバリュエーションが極めて割高なため、弊社は慎重な見方を維持
エマージング債 6.7 1.1 3.8   今後の米国債利回りの低下は支援的、新興国のマクロ経済指標は全般に比較的安定
コモディティと通貨
原油 -5.8 -5.5 18.4   OPECプラスは減産を延長。生産能力の余剰が大きく引き続き様子見姿勢
4.8 1.0 6.4   最大級の銅山の1つ、パナマのコブレ・パナマ が大規模な反対運動を受け閉鎖中。短期的な好材料に欠く
2.6 5.0 3.8   実質金利が若干低下、米ドルも下落したが、中銀の買いが続き、過去最高値に迫る
USD vs. EUR -2.9 -0.4 -1.8    FRBの政策変更を背景に米ドルは対ユーロで下落。債券スプレッドはなお米ドルに支援的
USD vs. GBP -0.9 0.8 0.4     イングランド銀行がハト派姿勢を強め、英ポンドは対ユーロで下落に転じる
USD vs. JPY -2.3 1.8 6.4    対ドルで上昇の可能性。2024年は日銀の引き締めスタンスが強まり、円相場を支える可能性

出所:Bloomberg Finance L.P.; 2023年11月30日現在のデータ。

過去の運用実績やシミュレーション結果は、将来の運用成果等を保証するものではありません。

グローバル株式はMSCI AC World Daily TR、グローバルソブリンはFTSE World Government Bond Index - Developed Markets in USD、コモディティはBloomberg Commodity Index、通貨(米ドル)はBloomberg Dollar Spot、米国株式はS&P 500 Index、ユーロ圏株式はMSCI EMU Index(EUR)、日本株式はTOPIX Index(JPY)、新興国市場はMSCI EM NR、米国債は J. Morgan U.S.A. 国債Index、英国債はJ. Morgan U.S.A. 国債Index、 ユーロ圏ソブリンはJ. Morgan EMU Investment Grade Index、米州債はJ. Morgan U.S. A.,、米国債はDaily Daily TRで表示されています。米国債はJ.P. Morgan米国国債インデックス、英国ギルトはJ.P. Morgan英国国債インデックス、ユーロ圏ソブリンはJ.P. Morgan EMU投資適格指数、米国ハイ・イールドはBloomberg U.S. Indexで算出。Corporate High Yield、EM fixed income by J.P. Morgan EMBI Plus Index、Oil by S&P GSCI Crude Oil、Copper by BBG Copper TR、Gold by GOLD SPOT $/OZ. 通貨については、ユーロ(EUR)、日本円(JPY)、英ポンド(GBP)は、それぞれの通貨対米ドル(USD)で表示されています。

Top Insights

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経済情勢はこれまでのところ、日銀の見通しに概ね沿っています。成長は安定的に推移し、債券市場は底堅さを見せています。

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