Global Multi Asset team
コアインフレ上昇は続く見込み
2月には、ほぼすべての経済指標がコアインフレの高止まりを示す結果となったことで、再びインフレに注目が集まり、中央銀行は追加利上げの必要性を認める発言を繰り返しました。その結果、2月末の10年物ドイツ国債の金利が2011年7月以来の高水準となる2.7%に迫るなど、金利はじわりと上昇しました。歴史的な水準の金融緩和政策、パンデミック、そして過度な財政支出という、例を見ない組み合わせの後の新たな均衡状態を市場が見定めようとしている中で、これが金利のボラティリティを高めることにつながりました。一方、金利上昇に対する株式市場の反応は比較的落ち着いたものでした。米国における収益は大幅に減速し、一方、欧州の収益は引き続き改善しました。その結果、米国株は下落し、欧州株は引き続きわずかに上昇しました。
このような背景から、私たちは、債券に対しては慎重な姿勢を保ちつつ、株式に対しては上昇を続ける金利に対するボラティリティへの懸念から、中立のスタンスを取っています。しかし、欧州株式に対しては、ポジティブなモメンタムもあり、建設的な見方をしています。逆に言えば、直近の欧州中央銀行(ECB)の、堅調な欧州の経済指標を背景としたタカ派的な発言から、欧州債券に対するディフェンシブな見方を強めています。まだ完全にはモメンタムがあるわけではありませんが、魅力的なバリュエーションと中国の再開から利益を得るという戦術的観点において、新興諸国は魅力的な投資対象だと考えています。英国の高い財政赤字と高い経常赤字などの構造的な問題から、弊社は英国ポンド(GBP)を格下げすることを決めました。
戦略的な資産配分見解の要約
戦略的な資産配分の見解は、定性的・定量的な判断に基づく分析と方向性および短期的な視点を反映したものです。