Global Multi Asset team
ゴルディロックス経済 の兆し?
月次レポート | 2023年7月31日現在のデータ
グローバル株式は7月、インフレが鈍化する兆しと米国経済がソフトランディングする可能性がともに強まったことに支えられ、反発しました。中国当局が停滞する同国景気を浮揚させるため追加の刺激策を講じると約束したことで、新興国市場を中心にセンチメントが改善しました。原油価格の上昇を背景にエネルギー株が株価上昇を主導したほか、通信サービスセクターも着実に上昇しました。対照的に、公益、ヘルスケア、生活必需品などのデフェンシブセクターは後れをとりました。グローバル債券はまちまちの状況でした。社債はリターンがプラスとなりましたが、国債については、米経済の底堅さから金利がより長期にわたって高止まりするとの予測が広がり、多くの市場で利回りが若干上昇したために苦戦しました。日本国債は、日銀が金融政策の正常化を一段と進めるとの予想から10年債利回りが9年ぶりの高水準に上昇し、注目を集めました。
弊社は株式市場に前向きなポジションをとっています。これは主にモメンタムの強さによるものですが、一方でファンダメンタルズの見通しは依然として強弱が入り混じった状況です。投資家が楽観的なポジションを強めていることには警戒が必要ですが、インフレ指標の不安は薄れており、経済成長については明るい指標がほとんどです。株式市場のなかでは、弊社は引き続き日本株をオーバーウェイトしています。日本株については、健全なファンダメンタルズ、バリュエーション、そしてモメンタムの強さから、最も説得力があるとみています。債券市場に対しては、金利ボラティリティの上昇や、中央銀行のタカ派的措置、インフレ鈍化が指標で示されたことなどを受け、ニュートラルなスタンスを維持しています。
戦略的な資産配分見解の要約
これらの戦術的 見通しは、短期的な状況、ならびにチームの分析の方向性および確信を反映しています。 見解は、ポートフォリオ構築の検討からは独立したものです。