決算シーズン始まる

投資にはさまざまな戦略があります。テクニカル分析が好きな人もいれば、ファンダメンタルズ分析を重視する人もいます。しかしそれは、取りうる戦略のほんの一部です。アクティブとパッシブ投資、集中投資戦略と分散投資戦略、グロース戦略とバリュー戦略、マルチアセット戦略とテーマ戦略、インパクト投資、配当投資、逆張り投資などもあります。

どの戦略にもメリットがあり、どのアプローチがベストかという議論に今日すぐに決着がつくことはないでしょう。とはいえ、2024年4~6月(第2四半期)の決算シーズンが始まっていることから、今週の焦点はファンダメンタルズです。というのも、企業の株価を決定付ける重要な要因は、現在と将来の収益性であるというのが大方の見方だからです。

現在の状況はどうでしょうか。米国では、S&P500種構成企業の2024年4~6月期決算は、このまま行けばかなり好調な結果となりそうです。実際、現時点で決算発表を終えた少数の企業は、前年同期比9%以上の増益となっています。これはすでに2022年1~3月(第1四半期)以来最大の伸びであり、アナリストの予想を上回る決算発表が続けば、この数字はさらに上昇する可能性があります。

重要なのは、S&P500の利益成長が一握りの巨大テクノロジー企業、いわゆる「マグニフィセント・セブン」だけにとどまらない可能性があるということです。ファクトセットによれば、これから決算を発表する493社の2024年4~6月期の合計利益は6%増となる見込みで、1年ぶり以上の増益となります。

一方欧州では、業績予想はより控えめです。LSEGリサーチによれば、ストックス600構成企業の2024年4~6月期の利益は1.4%増となったもようです。けれども下半期は、より好調な業績が予想されています。アナリストは現時点で、ストックス600構成企業の2024年通年の利益は前年比5%増となり、金融企業が最も好調な業績を挙げると見ています。「今週のチャート」をご覧ください。

今週のチャート
利益予想は世界の大半の地域で上昇基調にある
業績予想の上方修正と下方修正の割合

出所: LSEG Datastream, AllianzGI Global Capital Markets & Thematic Research 7/2/2024

来週を考える

今週は、決算内容の詳細が注目を集める一方、マクロ経済にも注目を払う必要があり、週の終わりにかけて、いくつかの重要な指標が控えています。

月曜日に発表されるデータは、注目に値するものの、市場を動かすほどの影響力はないかもしれません。これには、ドイツの小売売上高、中国の最新のローンプライムレート、シカゴ連邦準備銀行の全米活動指数などがあります。

火曜日はやや動きが出始め、ユーロ圏の消費者信頼感指数、米中古住宅販売戸数、シンガポールの消費者物価指数(CPI)上昇率が発表の予定です。

水曜日は重要な指標が続々と出てきます。ドイツのGfk消費者信頼感指数、米国の新築一戸建て住宅販売戸数、カナダ中央銀行の金利決定のほか、フランス、ドイツ、ユーロ圏、日本、英国、米国の製造業・サービス業購買担当者景気指数(PMI)が発表されます。

木曜日は、興味深い動きが控えています。ドイツでは、Ifo景況感指数が注目を集めそうです。同指数は、3カ月連続で上昇した後、5月と6月は低下しました。米国も、最新の耐久財受注、新規失業保険申請件数、2024年第2四半期のGDP速報値が控えており、注目を集めるでしょう。

市場が好調なときにのみ投資する戦略を取っている投資家は、特に大きな動きもなく1週間が終わることを願うかもしれませんが、金曜日は重要なデータが次々と発表されます。日本では、東京CPI上昇率が控えています。この指標は全国の景気の先行指標となることが多く、日本銀行にとって重要なシグナルです。欧州では、スペインの小売売上高のほか、フランスとイタリアの消費者信頼感に投資家の注目が集まるでしょう。大西洋の反対側の米国では、6月のコア個人消費支出(PCE)インフレ率が発表されます。これは、米連邦準備制度理事会(FRB)の政策当局者にとって最も重要な物価指標であり、その構成要素である消費者・生産者物価指数の6月のデータからは、インフレ率が目標に近付いていることがうかがえます。

パウエルFRB議長はすでに、インフレ指標の軟化を受け、インフレ率が目標に戻りつつあるとの確信を深めていることを示唆しています。これは、どのような投資戦略を取るにせよ、投資家にはうれしい材料になるでしょう。

Top Insights

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バケーション・シーズンである8月が終わりに近付く中、月初めに動揺に見舞われた市場のセグメントの多くは落ち着きを取り戻しています。MSCIワールド・インデックスなどの株価指数はすでに、今年7月中旬のピークを若干上回る終値を記録しました。

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株式市場が暴落の恐怖に揺さぶられたのは、つい最近のことです。下落が始まったのは、北半球の市場が夏枯れして一般に取引量が少なくなる8月の初めという異例の時期でした。「市場のメルトダウン」さえささやかれました。

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ユーロ圏経済は、第1四半期にはリセッションからの脱却に弾みがつき、景気回復への期待が高まりました。しかし、第3四半期の半ばに差しかかった現在、この期待は少々、楽観的過ぎたことが明らかになってきています。

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