日銀は利上げ継続の見通し

日本銀行(日銀)は2026年も超金融緩和政策からの段階的な脱却に向け、政策金利である無担保コールレート翌日物の引き上げを継続すると考えます。この政策金利正常化の目的は市場の一般的な認識とは異なり、国内需要の抑制ではなく日本円と長期日本国債に対する売り圧力を緩和することにあると見ています。

日本の消費者物価指数(CPI、総合)の上昇率は3年以上にわたり、日銀のインフレ目標である2%を上回っており、市場では日銀が「後手に回っている」との見方が強まっています。データを見ると、日本の需給ギャップと基調的インフレ率との相関関係は2020年以降完全に崩れており、インフレが主に需要主導で生じているという見方に疑問を投げかけています。一方で、ドル円相場と基調的インフレ率の相関関係は、コロナ禍の前後を通じて維持されています。このことは、日米金利差の拡大による2022年の急激な円安の方が日本の物価上昇圧力の要因としてより大きいことを示唆しています。

日本のインフレはコストプッシュ型からディマンドプル型へと移行しつつあり、日銀はこのプロセスを妨げないよう政策金利の正常化のペースに非常に慎重になっていると考えます。高水準のコストプッシュ型インフレと構造的な労働供給不足を背景とした賃上げは、日銀が掲げる2%のインフレ目標達成に向けた賃金と物価の好循環を生み出す可能性があります。しかし、市場要因により円売り圧力が強まり、長期国債利回りが上昇しています。輸入インフレの再燃と長期資金調達コストの上昇を回避するため、日銀は行動を起こす必要があります。弊社の予想では、日銀は2026年末までに25ベーシスポイント(bp)の利上げを2実施し、政策金利を1.25%に引き上げるでしょう。また、ドル円相場が前回高値の162円付近に近づく中、財務省による為替介入のリスクも高まっています。

高市首相の拡張的な財政政策は市場圧力をさらに強め、日銀が直面する課題を悪化させています。2025年度補正予算の成立と2026年度予算案の閣議決定の報道は、長期国債の売りを招き、長期利回りが上昇しました。日銀は国債のタームプレミアムを抑制するため、利上げを迫られるでしょう。ただし、日本の債券と通貨には引き続き圧力がかかるものの、日本株は財政支出拡大への期待により下支えされる可能性があります。

なお、トランプ米大統領は117日、グリーンランド取得計画に反対していると見られる欧州8カ国(ドイツ、英国、フランス、オランダ、スウェーデン、デンマーク、フィンランド、ノルウェー)からの輸入品に対し、21日から10%の追加関税を課すと発表しました。

今週のチャート
日本のCPI(消費者物価指数)インフレ率とドル円相場

出所:Bloomberg, Nomura, AllianzGI Global Economics & Strategy、2026年1月時点。

過去の実績や予測、予想、見込みは将来の実績を示すものではなく、また、将来のパフォーマンスを示唆するものではありません。

来週を考える

来週は、米国の連邦公開市場委員会(FOMC)の政策決定、耐久財受注と雇用統計、欧州の景況感指標と第4四半期の国内総生産(GDP)成長率、そして日本の雇用統計と小売業販売額などが注目されます。

米国では、月曜日に発表される11月の耐久財受注から製造業の最新動向が明らかになるでしょう。また、火曜日に1月の消費者信頼感指数、木曜日に直近の失業保険の新規申請件数と継続受給者数が発表されます。市場は水曜日のFOMCの決定に注目していますが、今回の会合ではフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を据え置くと予想しています。

ユーロ圏では、金曜日に第4四半期GDP成長率の速報値が発表されます。また、1月の業況判断指数、経済信頼感指数、消費者信頼感指数も控えています。金曜日には、日本12月の有効求人倍率と完全失業率、小売業販売額が発表されます。

今週も実りある1週間となりますように。

Top Insights

来週を考える | The Week Ahead

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年明けの今、私たちを取り巻く不確実性を考えると、経済がどの程度安定しているかを確認してみる価値があります。2026年初めの世界経済は前年末と変わらぬ様相を呈しており、圧力下にあるものの全体としては安定しています。

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新年を迎えると、多くの人がその年の抱負を掲げます。よく聞かれるのが、「もっと運動する」「食生活を改善する」「健康的な生活を心がける」などです。健康に良いことは、資本市場への投資にも通じるところがあります。2026年に賢明な投資を行うには、短期的なトレンドを追いかけるのではなく、規律ある分散投資に重点を置くのがよいでしょう。

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