Five themes for 2024

テーマ1:2024年、政治が気候変動対応のリスクに?

弊社はこのほど、サステナビリティ情報開示において2024年の中心的問題になる可能性がある5つのテーマを発表しました。新しいブログシリーズでは各テーマについてさらに詳しく掘り下げ、サステナビリティ投資に及び得る影響について解説します。まずは、重要な一年となる2024年に政治的問題が気候変動との闘いとどう対立する可能性があるのかについて検討します。

50カ国の20億を超える人びとが投票所に足を運ぶことになる今年は、記録的な選挙の年になる見通しですi。世界の人口上位10カ国のうち、8カ国で2024年に選挙が開催されますが、この8カ国だけで世界のGDPの50%以上を占めていますii。選挙は米国、インド、欧州議会などで行われます。

これらの選挙は、引き続く生活費の上昇危機や地政学的不安定、気候または「グリーン」課題の政治化といった問題がある中で実施されます。

気候危機は変わらず続いています。2024年が記録上最も暑い年になるとの予想は多く、再びエルニーニョ現象が発生すれば気温上昇1.5℃の水準を一時的に超えるおそれもあります。気温がいつ、どの水準でピークを迎えるのかが明らかになる重要な年になるかもしれません。

世界経済はクライメート・トランジション(脱炭素への移行)計画をスピードアップさせる必要がありますが、今年が選挙戦の年であることで政治的意思が軽視される可能性 があります。この重要な選挙の年には、希少な資金がクライメート・トランジションに振り向けられず、票稼ぎのための一般受けする課題やポピュリスト的課題に応えることに使われかねません。

おそらく最も顕著な例は、11月に行われる米国の大統領選でしょう。現時点で共和党の最有力候補とみられるドナルド・トランプ氏は、民主党による気候変動への取り組みを逆転させることをほのめかしていますiii

政治的問題によってトランジション計画への投資や計画の実行が遅れるリスクは、気候変動リスクに係わる金融当局ネットワーク (NGFS)の「トランジションが遅延する」シナリオの可能性を高めるでしょう。

このシナリオにおいては、世界経済が最終的に気候変動の緊急事態に目覚めるのは2020年代末のことになり、世界の年間排出量は2030年まで減少に転じることなく、気温上昇を2度未満に抑えるために多額の追い上げ投資が必要になります。


気候変動リスクに係わる金融当局ネットワーク(NGFS)のシナリオ分析
気候変動リスクに係わる金融当局ネットワーク(NGFS)のシナリオ分析

出所:https://www.ngfs.net/ngfs-scenarios-portal/explore/


NASAの研究は、気温が2度上昇した場合に世界で起こる気候変動のさまざまな複合的影響を明らかにしています。気候事象の規模と場所の変動がともに著しく大きくなり、今後数十年の各国の財政、成長、インフレ計画に大きな影響を及ぼす可能性がありますiv。食料や水といった基本的ニーズが政治問題化するおそれがあります。

気象現象を予測できない世界は、経済成長とリスクモデリングに重大な影響を与えるばかりでなく、遅延するクライメート・トランジションの実現に必要な資金がさらに膨らむことにもなりますv

投資ポートフォリオへの影響を理解しておくことが重要です。弊社はこれまでに、さまざまな気候シナリオにおけるリターンの押し下げ要因の観点から、お客様のポートフォリオに及び得る影響について助言的分析を提供してきました。この分析では社内の気候関連ツールを使用しており、将来的な気候リスクの定量化を行うことができます。

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