米連邦準備制度理事会
FOMCは据え置き姿勢を維持
主なポイント
- 不確実性の高まりを背景に、FRBは政策金利を据え置くと予想します。
- 景気はなお底堅く、中東情勢によるインフレへの波及も現時点では抑制されていることから、FRBは地政学的ショックに時期尚早な対応を取るのではなく、状況を見極める姿勢を選好するとみられます。
- 利下げのハードルは高まっている一方で、利上げのコストも上昇しています。このような環境下では、2026年においても政策金利の据え置きが最も後悔の少ない戦略であり続けると考えます。
米連邦準備制度理事会(4月28日-4月29日)の見通し
FOMCは4月28~29日の会合において、フェデラルファンド金利の誘導目標レンジを3.50~3.75%に据え置くと予想します。本決定は幅広い支持を得る見通しで、利下げを支持するスティーブン・ミラン理事が唯一の反対票を投じる可能性があります。
政策当局者は、中東紛争が経済に与える影響について、より明確な状況が見えるまで待つ余地があるとの認識を維持しています。足元の経済指標は景気の底堅さを示しており、経済活動やインフレへの波及はこれまでのところ限定的です。労働市場は低調な採用水準で安定化の兆しを見せており、原油価格上昇による初期的なインフレ圧力もおおむね想定どおりに推移しています。ただし、紛争が未解決のままホルムズ海峡での混乱が長期化した場合、エネルギー市場の逼迫や投入コストの制約を通じて、今後数か月においてスタグフレーション的な動きが強まるリスクが高まります。
今回の会合では、経済見通し(SEP)やドット・プロットの更新はなく、政策声明の変更も小幅にとどまる見込みです。そのため、市場の注目はパウエル議長の記者会見に集まります。これは、5月15日の議長としての任期終了を前にした最後の記者会見となる予定です。
パウエル議長は、インフレリスクが上振れ、雇用リスクが下振れに傾く中で、FRBが短期的により難しい判断を迫られていることを認める可能性があります。一方で、3月の経済見通しに反映されたAI主導の生産性向上を背景に、中期的な見通しについては引き続き前向きな評価を示すとみられます。
政治的な圧力は足元でやや緩和しています。司法省がパウエル議長に対する調査を打ち切る決定を下したことで、短期的な制度面での緊張の主要因が取り除かれ、後任候補であるケビン・ウォーシュ氏の承認手続きが期限内に進む道が開かれる可能性があります。もっとも、仮に新議長のもととなっても、短期的な金融政策の見通しが大きく変わる可能性は低いと考えられます。いずれの後任であっても、同様のスタグフレーション的なトレードオフに直面し、委員会内でのコンセンサス形成が必要となるためです。このような環境を踏まえ、FOMCは年内を通じて政策金利を据え置くと予想します。