世界各地での引き締め
米連邦準備制度理事会(FRB)、欧州中央銀行(ECB)、イングランド銀行(BOE)はいずれも直近の会合で75bpの利上げを表明しましたが、先物市場での金利水準は、中央銀行ごとに異なる反応を示す結果となりました。FRBとECBの乖離は、パウエルFRB議長が記者会見で、政策金利を長期的に高い水準で維持することによりでインフレを阻止するという強い姿勢を示したことによります。FRBに対してBOEはタカ派的ではなく、「過剰な引き締め」への反発が見られました。
これに対し、アジアの中央銀行は、内需が依然堅調であることや為替レートへの圧力を考慮してか、金融引き締めのペースを緩めることに慎重になっています。
北アジア圏の中央銀行は、技術輸出需要の減速という強まる逆風にもかかわらず、金融引き締めを継続すると見られます。韓国銀行は2022年11月と2023年1月の2回、25bpの政策金利引き上げを実施すると予想されます。また、台湾の中国中央銀行も2022年12月に12.5bpの追加利上げを行うと予想されています。
今週のチャート
Asia’s policy rate forecasts

*China: 7-day reverse repo rate
Source: CEIC, AllianzGI Economics & Strategy, as of November 2022.
来週を考える
火曜日は、中国の10月マクロデータ(鉱工業生産、小売売上高、固定資産投資の伸び)、ユーロ圏のZEW調査期待値指数、日本の第3四半期GDP成長率、米国の10月生産者物価指数(PPI)、11月帝国製造業調査などが予定されています。 市場は、中国の10月のマクロ成長データは、ゼロ・コロナ政策の影響を受け前月比で減速となると見られます。また、市場は日本2022年の第3四半期のGDP成長率が前期の3.5%から1.1%に減速すると予想しています。米国について、市場は10月の生産者物価指数(PPI)インフレ率は底堅く推移し、11月のニューヨーク連銀製造業景気指数はさらに弱含みの結果となるだろうと見ています。
水曜日と木曜日の経済カレンダーは、米国のマクロデータが独占するでしょう。水曜日、市場は10月小売売上高の伸びが前月比0.9%増になると予想しています。10月の鉱工業生産は前月の0.4%増から0.2%増に減速すると予想されています。10月の設備稼働率は、前月から小幅に上昇し80.5%になると予想されます。9月の企業在庫の伸びは、前月の0.8%から0.5%に減速すると予想されます。木曜日には、10月の米住宅着工件数(前月比2.7%減)と建築許可件数(前月比2.8%減)が予定されており、市場ではさらなる下落が予想されています。また市場は、11月のフィラデルフィア連銀景気見通しと、新規および継続失業保険申請件数においても、増加が見込まれることから景気見通しのさらなる悪化を示唆するものとなるであろうと予想しています。
皆さんが、世界の中央銀行の利上げサイクルをうまく乗り切ることを願って。
クリスティアン・タントノ
シニアエコノミスト、アジア太平洋地域
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