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新型コロナウィルス:市場のさらなるボラティリティ上昇に警戒

2020/02/06
新型コロナウィルス:市場のさらなるボラティリティ上昇に警戒

Summary

中国経済は、新型コロナウィルスの大流行によって短期的にはダメージを受けると予想していますが、長期的にはポジティブにみています。アジア全体で、サプライチェーンに問題が発生し、マイナスの影響を広範に及ぼす可能性があります。しかし、世界経済は中国ほどダメージを受けないでしょう。中央銀行の政策、企業業績、経済のファンダメンタルの安定が世界のリスク資産を下支えすると思われます。

Key takeaways

  • 最近の中国の経済成長の鈍化の主な要因は、中国政府による武漢の新型コロナウィルスの感染拡大をコントロールするための施策によるものですが、それらの施策は、状況を沈静化させるために必要な措置です。
  • 中国人民銀行はすでに経済下支え策を実施しており、更なる刺激策が発表されると予想されます。
  • 長期的には、中国の保険セクター、空港、レジャー産業は今後数ヶ月悪影響を受けると思われますが、投資家は中国の潜在的成長性に楽観的でいるべきでしょう。
  • 今回の新型コロナウィルスと2002年から2003年にかけて流行したSARSの比較は、意味がないでしょう。なぜなら、世界-世界で中国が果たす役割-は大幅に変化しました。
  • 今回の新型コロナウィルスは世界経済に対し、中国経済ほど影響を及ぼさないでしょう-しかし、サプライチェーンの問題が経済のファンダメンタルのマイナス要因になる可能性があります。

新型コロナウィルス:投資家にとっての問題点は何か?

武漢の新型コロナウィルスの感染拡大は2020年初の「ブラック・スワン」になりました。中国での感染症の流行の歴史やウィルスが世界にあっという間に広がる恐怖を鑑み、投資家は過剰に神経質になりました。

数百人の死者が報告されており、専門家は新型コロナウィルスについて研究を始めたばかりであるため、このような懸念は理解できます。数千万の人々を隔離し、株式市場の閉鎖を旧正月後にまで延長するなど、中国がこの事態に対し行っている対応は、すでに経済へ悪影響を及ぼし、中国株式市場は1日で急落しました。(しかし、世界の株式市場は当初の急落後、ウィルスの感染スピードが今後数週間で鈍化し、新しい治療法が判明するだろうとの希望のもと、回復しています。)

我々は、中国に対し長期的にはポジティブに見ています。特に、大流行が今後数ヶ月でコントロールされるようになった場合はです。これには、疑いもなく巨額の費用のかかる大変な努力を要するでしょう。しかし、我々は、中国政府はそれらを実施する意思と手段を持っていると考えています。実際、中国人民銀行はこの大流行に対処するため、すでに巨額の流動性を提供しています-我々は、ウィルスをコントロールできるまで、景気安定のために刺激策を実施しないと予想していました。

この大流行は経済成長にどのように影響するでしょう?

世界経済は、おそらく中国の減速の影響を受けるでしょう。一部の市場関係者は、この新しいコロナウィルスの潜在的な経済的影響と2002年から2003年のSARSの流行時のものとを比較していますが、考慮すべき重要な違いがあります。この新しい病気の本当の性質はまだわかりません。SARSの流行時に比べ中国は、はるかに大きく、経済的に重要な国となりました。さらに、私たちは現在、景気の上昇局面ではなく、世界の経済サイクルの後半にあり(前回は、世界経済がハイテクバブルの崩壊から回復している時期にSARSが発生しました)、全体的に、バリュエーションはSARS時代の適度なものに対して割高になっています。プラス面としては、SARS以来、通信および医療技術が大幅に改善されました。これらのすべての要因により、この流行の経済的な影響を予測することは非常に難しいところですが、今日の中国の減速は、20年前よりもグローバルの成長を損なう可能性があります。

中国のGDP成長率はすでに低下しており、今後さらに低下する可能性が高いでしょう。

新型肺炎が拡大し始める前でさえ、政府がバランスシートの負債水準を下げ、消費主導型モデルへの「リバランス」に取り組んだため、中国の成長はやや鈍化していました。武漢で発生したコロナウィルスは、中国の2020年のGDP成長率を1ポイント低下させ、5%に近づける可能性があると考えています。ただし、低下したとしても他の多くの先進国で見られる成長率よりも高い成長率となるでしょう。

アジアの楽天主義は後退する可能性

最近、他のアジア諸国は、米中貿易協定をめぐる楽観主義に方向転換するように見えました。しかし、アジアの投資家は、武漢のコロナウィルス流行の拡大とそれに伴う検疫が貿易関税よりもグローバルなサプライチェーンに悪影響を及ぼす可能性があると考えており、慎重な姿勢を示しています。プラス面としては、アジアの中央銀行は、経済成長を促進するために金融刺激策を提供する余地がまだあります。

投資家への影響は?

  • 中国では、観光業、航空会社、ゲーム産業、さらには石油部門やコモディティなど、大流行によってすでにダメージを受けている主要部門において、さらなる後退が予想されます。
  • 米国では、セクターによってはより大きくダメージを受ける可能性もあるでしょう。石油とエネルギー、旅行と観光、一部の小売/高級ブランドは軟調となる可能性があります。しかし、ウィルスが米国で流行した場合、投資家は企業収益、FRBの金融政策、より広範な経済指標、米国の政治など、市場を動かしているファンダメンタル要因に再び注目するでしょう。
  • 欧州では、製造部門と貿易部門において安定化の兆候が見え始めていました。しかし、欧州経済は中国とアジアが大きな貿易相手国であるため、コロナウィルスは短期的にはこの緩やかな回復を阻害する可能性があります。
  • 世界的に、この流行が沈静化するまで、多国籍企業は中国での売上の減少、貿易の低下、および店舗閉鎖の可能性などがあります。物流の遅延や、人々の活動が制限されることなどにより、サプライチェーンは世界中で影響を受ける可能性が高くなります-検疫や一般的なウィルスの恐怖からです。
  • 全体として、流行による持続的な経済的ショックを除けば、米国および世界的には、概して低金利、低インフレ、安定成長といった経済環境のもと、リスク資産に対してポジティブな後押し要因が引き続き見られます。しかし、特に好調であった2019年よりも、株式市場のボラティリティがさらに高まることが予想されます。株式市場は通常、年間5~10%の1~3回の調整が見られることは心に留めておくべきでしょう。コロナウィルスは、2020年の最初の調整を引き起こす可能性があります。

前回のSARS発生時は、米国株式が一時的に下落
S&P 500 Index (1930-2020)

Exhibit 1: previous outbreaks caused only temporary setbacks for US stocks

出所: FactSet、2020年2月3日時点。過去のパフォーマンスは将来の結果を保証するものではありません。


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Coronavirus: stay alert for further market volatility

by ChristiaanTuntono | 2020/02/06

Summary

We expect this outbreak to hurt China’s economy in the short term, but we are still positive about the country’s long-term prospects. Throughout Asia, supply-chain troubles will likely have a broadly negative effect. But we don’t expect the global economy to be hit as hard as China’s: central-bank policies, corporate earnings and stabilizing economic fundamentals still seem supportive of global risk assets.

Key takeaways

  • While the recent drag on China’s economic growth has been mostly caused by the government’s efforts to contain the Wuhan coronavirus, those are necessary steps to get the situation under control
  • China’s central bank has already taken steps to bolster its economy, and we expect further stimulus measures to be announced
  • Long term, we think investors should still be optimistic about China’s potential, although we expect China’s insurance sector, airports and leisure industry to suffer in the coming months
  • Comparisons between this new coronavirus and the SARS epidemic of 2002-2003 may be unhelpful because the world – and China’s role in it – are very different now
  • We expect this virus to affect the global economy less than China’s – but supply-chain problems will likely put pressure on economic fundamentals, which are fragile but have been improving